日中国交正常化50周年記念コラム 第22回(小嶋深月)
日本と中国の国交が正常化されてから50周年となる本年、日中友好会館ではホームページとメールマガジンで「日中国交正常化50周年記念コラム」を連載いたします。
日中交流に長く携わった方や、日中友好会館の各事業に参加された幅広い世代の方に、日本と中国に関わりのある事柄、随筆、これまでの日中交流のエピソードや、これからの日本と中国に向けての期待・希望などメッセージを執筆いただき、一年にわたって連載します。また、日中民間交流の拠点として貢献する日中友好会館の取り組みなども合わせてご紹介します。
日本と中国のこれまでの歩みを振り返りながら、新しい友好関係の構築に向けたプラットフォーム作りの一助となれば幸いです。
管鮑の交わり
2017年日中友好会館ホストファミリー訪中団団員 小嶋深月
幼い頃から、祖父母の家で中国人留学生とともに一つのテーブルを家族のように皆で囲む日々が私にとっての楽しみでした。餃子の作り方を教えてもらいながら、私たちはおにぎりの作り方を教え、互いの文化を共有し合い、語学は堪能でないながらに、言葉だけではないコミュニケ―ションで満たされるあの空間を懐かしく思います。
5年前には、ご招待いただき日中友好会館ホストファミリー訪中団の一員として初めて中国に赴き、多言語を流暢に操る学生に刺激を受け、語学の勉強に力をいれるようになりました。九龍新区団地では人々の暮らしを垣間見、四川師範大学で学生と交流をする中で、現地で生の人々と文化に触れることができたあの経験は今でも私の人生の財産としてとても印象に残っています。
昨今、国間での対立や衝突が多く目に入る様になる中だからこそ、個人対個人の交流や繋がりの重要性を心から再実感します。彼らにとっての日常と私たちにとっての日常の交わりから生み出される心地よさや温もりが、この先に広がる日中友好の根底にあり続けることでしょう。管鮑の交わりが続くことを夢見ながら、国という括りに縛られることのない豊かな交流が波及していくことを切に願いつつ、その糸を紡ぎだす一翼を担っていきたいと思っています。
(小田原国際交流協会会長小嶋勲氏ご令孫)
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