平成22年度中国高校生訪日団第6陣が来日  埼玉、千葉、愛知、京都、兵庫、高知で交流

 「21世紀東アジア青少年大交流計画(日中21世紀交流事業)」の一環として、11月9日より17日まで、平成22年度中国高校生訪日団第6陣(劉江園総団長、張南峰副団長、一行総勢397名)が来日した。同団は北京市、上海市、湖南省、山西省、河南省、江蘇省、福建省、海南省、雲南省の2市7省から選抜されたメンバーで、Aコース200名を当財団が、Bコース197名を財団法人日本国際協力センターが担当し、各地で交流を行った。同団Aコースは11月9日に成田及び羽田から入国し、8泊9日の日程を東京でスタートさせた。翌10日に外務省を訪問し、セミナーを受講、その後歓迎レセプションに出席した。

 セミナーでは、公私にわたり30年近い中国との交流経験を持つ、武田勝年日中友好会館常務理事による「中国青少年への期待」をテーマとした講演を聞いた。「中国の歴史や儒教についての造詣を深め、広い国際的視野を持って、明るい未来を構築してほしい」というメッセージに、高校生たちは大きく頷き、今回の訪日活動がその第一歩であることを強く認識していたようだった。

 続く歓迎レセプションはA、B両コース合同で行い、菊田真紀子外務大臣政務官、孫建明中国大使館公使参事官ら来賓を含め、総勢500名近くが一堂に会する盛大な会となった。菊田真紀子外務大臣政務官からは、「将来の日中関係の発展は若いみなさんの肩にかかっている。みなさんがありのままの日本の姿に触れ、友人を作り、日本の理解を深めることが、将来の日中関係を支える大事な基礎となると信じている」と期待が述べられた。両国高校生によるパフォーマンスでは、2008年に中国北京市で行われた「2008日中青少年友好交流年」の記念式典でも演奏経験のある東京都立深沢高等学校和太鼓部が、日本でもトップレベルの迫力あるパフォーマンスを披露した。また中国側は海南省の高校生が民族舞踊を披露し、会場から大きな拍手が送られた。

充実した学校交流とホームステイ

 11日からは4コースに分かれて各地を訪問した。埼玉県3校・千葉県1校・兵庫県4校で学校交流を、京都府9校・高知県1校・愛知県5校で学校交流およびホームステイを実施した。

 学校交流では、受け入れ校ごとに特色を生かした多彩なプログラムに参加した。英語や体育、書道、音楽などの授業のほか、着付け体験やフラワーアート、パン作りなどにも挑戦した。日中高校生で小グループを作り、交流会を実施した学校も多く、お互いの高校生活や住んでいる地域、家族について、また好きな音楽、アニメ、将来の夢に至るまで話題がつきることがなかった。

 ホームステイは、交流した日本高校生の家庭で実施した。お互い緊張した様子で対面した高校生たちだったが、英語や日本語、身ぶり手ぶりも交えて挨拶を交わすうちにあっという間に打ち解け、笑顔で手を取り校内を歩いたり、肩を組んで写真を撮るなどしていた。ホストファミリーとは、各地の自然景勝地や文化遺産を訪ねたり、自宅で日本の有名アイドルのDVDを見たり、ゲームをしたり、また買い物やボーリングに出かけるなど、各家庭で楽しいひと時を過ごした。別れの場面では、日本の友人、お父さん、お母さんと固く抱き合い、再会を誓って涙ぐむ中国高校生の姿も見られた。一緒に過ごした時間はとても短かったにもかかわらず、大きな絆を感じることができた貴重な機会となった。

 今回交流した学校の一部には、日中21世紀交流事業の派遣事業で訪中経験のある高校生もおり、自身が中国でホームステイをした際に、緊張してあまりコミュニケーションが取れなかった経験や、不安に思った点などを、今度は逆の立場に置き換えて、中国高校生にそんな思いをさせないよう、たくさんいい思い出を作ろうと張りきって受け入れてくれた生徒もいた。また12月に「日本高校生訪中代表団」への参加を控えている兵庫県の高校生には、中国高校生たちが「安心して中国に来てください」と声を掛け、日本の高校生たちからも「訪中がとても楽しみになった。中国のことをもっと学びたい」との感想が寄せられた。

教育委員会を表敬訪問
 京都府では、学校交流に先立ち教育委員会を表敬訪問した。田原博明教育長から、「国際理解教育を推進する京都府において、次世代を担う日中の高校生が互いに交流し、実際の体験を通して理解しあうことは、相互理解と友好的感情を増進する意義深いこと。日本の高校生やホストファミリーとの交流を通して、相互の文化や風土に対する理解を深め、心と心を繋ぎ、両国の未来への架け橋になってほしい」と中国高校生への期待が述べられた。

 そのほか、一行は各地で金閣寺や平安神宮、高知城、大阪城など、歴史文化遺産を参観したほか、和紙の手漉き体験や、西陣織の手織体験など、日本の伝統文化の一端に触れた。

 また環境・防災学習として、清掃工場や水再生センター、家電のリサイクルセンター、防災センターなどを視察し、官民一体となった日本の環境保護の取り組みや、震災についての心構え、防災意識を持つことの重要性を学んだ。環境施設では、見学の移動の際にも、熱心に職員へ質問している生徒もおり、近年ますます深刻化しているごみ問題や水問題に対する関心の高さがうかがえた。防災施設参観は、自然災害の多い中国においてこそ、いざ自身が震災に遭遇したらどのような行動を取るべきか、普段からどのようなことを防災の取り組みとして意識するべきかなど、中国高校生が改めて意識し、考える良いきっかけとなった。

 16日には、各コースが大阪に集合し、歓送報告会を行った。中国駐大阪総領事館の劉占山教育室長をはじめ、京都府教育庁、京都府および兵庫県の受け入れ校の先生方も参加し、和やかな会となった。中国高校生代表による感想発表では、「私たちは期待と憧れと学ぼうという強い使命を抱いて来日した。そして今度は、たくさんの収穫、友情、日本のすばらしい文化を伝えるという“新たな使命”を抱いて帰国する。日中友好の更なる発展のために私たち自身のベストを尽くしたい」「日中友好の種を両国の人々の心の中にまき続けていきたい」と、友好の使者としての決意が述べられた。

 全ての交流プログラムを終了し、Aコース200名は多くの成果を携えて、11月17日に関西空港より帰国の途に着いた。本事業の実施にご協力頂いた外務省、文部科学省、中国大使館、各自治体・教育庁・教育委員会、学校関係者、受入関係機関等の皆様に厚く御礼申し上げたい。

(総合交流部)

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