「日中植林・植樹国際連帯事業」中国大学生訪日団第2陣(5つの協力分野)

 2017年10月25日から11月1日までの8日間、中国大学生訪日団第2陣(団長:朱 丹 中国日本友好協会 副秘書長)計150名が来日した。本団は、「5つの協力分野(省エネ・環境、経済、観光、防災、少子高齢化)」をテーマとし、中国の北京市、湖北省、湖南省、四川省、浙江省の大学で各分野を学ぶ学生で構成され、外務省が実施する「日中植林・植樹国際連帯事業」の一環として招聘した。

 訪日団は、東京・奈良・大阪・佐賀にて、環境・防災に関するセミナーや関連施設の視察等を行い、植樹活動を行った。また、大学訪問および農家民泊で日本の大学生や市民と親睦を深め、「5つの協力分野」をテーマとした視察・参観を行ったほか、科学技術・歴史・社会に関する包括的な対日理解を深めた。

 

「日中学生交流セミナー」や大学訪問で同世代の学生と交流

 「日中学生交流セミナー」では、地球環境戦略研究機関(IGES)都市タスクフォースの藤野純一氏による「低炭素社会の実現に向けて」をテーマとした講義と、公益財団法人日本法制学会災害救援ボランティア推進委員会の高須大紀氏による「過去の災害から学ぶ防災・災害ボランティア」をテーマとした講義を受けた。セミナーには日本側学生も参加。講義後、両国学生は積極的に質問し、環境・防災分野において日中間でどのような協力・対策が必要か、一緒に考える良い機会となった。また、省エネ・環境分団と経済分団は上智大学、観光分団・防災分団・少子高齢化分団は日本大学文理学部を訪問し、日本側学生とグループごとに交流を行った。互いの大学生活・勉強・アルバイト・趣味・最近の流行など、さまざまな話題で盛り上がった。

 さらに都内では、省エネ・環境分団は港区を訪問し、区の環境に配慮した街づくりの説明を受け、みなとパーク芝浦や田町スマエネパークで現場を視察した。経済分団は、(株)三菱東京UFJ銀行の担当者より「金融業界から見た日本経済の現況と見通し」をテーマに講義を受け、日本の経済全般に関する知識を深めた。観光分団は、東武トップツアーズ(株)を訪問し、日本の旅行業界や同社独自の取り組みについて説明を受け、旅行カウンターを視察した。防災分団は品川防災体験館にて、消火活動や応急救護等の各種体験を行い、市民の防災意識を高める取り組みの大切さを実感した。少子高齢化分団はサービス付き高齢者住宅ボナージュ横浜を視察し、高齢者が住み良い住宅環境づくりについて見識を広めた。

 

植樹活動や農家民泊、分野別プログラムを実施

 日程後半は、省エネ・環境分団と経済分団、観光分団・防災分団・少子高齢化分団の2コースに分かれ、地方で各種活動を行った。

 省エネ・環境分団と経済分団は、奈良・大阪を訪問した。はじめに、奈良県明日香村の受け入れで植樹活動と農家民泊を体験。はじめに、明日香村近隣公園で村花のタチバナ1本を植樹し、ホストファミリーとの友好の証しとした。続く農家民泊では、ホストファミリーに温かく迎えられ、日本の家庭の素朴な雰囲気を味わうことができた。短い滞在の中でも交流を深め、忘れがたい経験となった。大阪では、省エネ・環境分団は日立造船(株) 堺工場を訪れ、環境に配慮した工場設備や防災ソリューションラボラトリーを視察し、日本企業の進んだ環境保護の取り組みを見聞きすることができた。経済分団はパナソニックミュージアム、松下幸之助歴史館を視察。日本を代表する世界的企業に成長した同社の歴史や経営理念を学んだ。

 観光分団・防災分団・少子高齢化分団は佐賀県唐津市を訪問し、まずは農家民泊を体験。各家庭では、もちつき・温泉・畑での収穫・食事作り等、家族の一員として過ごした。別れ際には涙で抱き合う姿も見られ、言葉の壁を越えて絆を結ぶことができた。また、唐津市の防災・減災システムに関するブリーフを受け、観光や高齢者対策を含めた特徴ある取り組みに多くの質問があがった。さらに、唐津市訪問の記念に、松浦河畔公園国際交流広場でサクラ3本を植樹した。分野別の活動では、観光分団はアニメとのコレボレーションイベントの説明を受け、アニメの聖地巡礼スタンプラリーを行い、観光施策としての目的や効果を体感することができた。防災分団は唐津市防災センターの視察や市の防災対策についてより詳しく話を聞き、防災における地方自治体の役割について理解を深めた。少子高齢化分団は、家庭的な雰囲気の看護小規模多機能むくや、市の総合的福祉施設のひれふりランドにて高齢者向け体操教室「ますます元気づくり教室」で高齢者が元気に活動している様子を視察し、高齢者福祉におけるソフト・ハード両面の重要性を再確認した。

  そのほか、東京では皇居二重橋・東京タワー・砂町水再生センター・森ヶ崎水再生センター・浅草寺・日本科学未来館、奈良では春日大社・東大寺・奈良国立博物館、大阪では津波高潮ステーション、佐賀では呼子港遊覧船・唐津城・鏡山展望台などを参観し、日本への多面的な理解を深めた。

団員からは、「日本の先進的な環境保全や防災分野はとても参考になった」「同世代の日本学生との交流で相互理解を深めることができた」「行政や民間企業が行っているさまざまな取り組みは中国でも見習うべきだと感じた」「防災や環境に関する施設の充実ぶりに驚いた」「ホームステイでは家族のように迎えてくれて感動した」など、思い思いの感想が聞かれた。

 今回の経験は団員にとって、社会や自分の専門分野に新たな気づきを与え、成長に寄与できたと信じている。

 

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