第5回日中友好岸関子賞を終えて

「日中友好岸関子賞」は、中国・東北地方出身の人文社会科学系修士課程留学生の修士論文を対象にした奨励金です。今回は第5回の選考となり、寄せられた多数の論文の中から選考を経て、以下2点の論文が受賞しました。

2017年11月25日 最終選考会

2017年11月25日 最終選考会

 

優秀賞(副賞20万円)

董雪晨 黒竜江省出身(大阪大学大学院人間科学研究科)

「中国における家電廃棄物の回収現状から見える課題と展望―地方都市における現地の実態を踏まえた多面的考察―」

<論文要約>

家電廃棄物の回収・処理の現状並びに関連法体系を包括的に俯瞰した。回収実情が明らかにされていない地方都市(黒竜江省鶴崗市)で現地調査を行ない、家電廃棄物の回収の実態を質的な観点から把握した。さらに「レジーム・アクター分析法」による評価を行ない、回収の問題解決に向けた基本的な課題を明確化した。

優秀賞(副賞20万円)

劉罡 遼寧省出身(名古屋大学大学院国際言語文化研究科)

「「引揚げ文学」における満洲表象―『けものたちは故郷をめざす』と『アカシヤの大連』を中心に―」

<論文要約>

阿部公房の小説『けものたちは故郷をめざす』と清岡卓行の『アカシヤの大連』を取り上げて、両作品における満洲表象を考察したものである。引き揚げ体験は阿部と清岡の文学に如何なる影響を与えたのか、植民者二世の両者は如何なる眼差しで異民族をみていたのか、日本と植民地についての関係をどのようにとらえようとしているか、という問題を中心に考察した。

西原春夫審査委員長より賞状の授与 董雪晨さん

西原春夫審査委員長より賞状の授与 董雪晨さん


◆受賞者からの感想

「この度、受賞させていただき、大変に光栄です。誠にありがとうございました。多くの大先生方と交流できて、貴重なコメントをいただき、大変勉強になりました。自分の研究不足を深く感じています。また、日本で留学生として、生活面や研究面にも日中友好の重要性を心強く感じました。これから日中両国の友好関係に役立ちたいと思っています。本当に感謝しています(董雪晨)。」

「この度、第五回日中友好岸関子賞という大きな栄誉を賜りまして、審査委員の先生方に心より御礼を申し上げます。これを糧に、博士論文の執筆に全力を傾ける所存でございます。今後とも先生方のご指導をお仰ぎ致したく、どうぞ宜しくお願い申し上げます(劉罡)。」

表彰式では、西原春夫審査委員長より賞状と副賞20万円が授与されたのち、日中友好会館荒井克之理事長よりお祝いと励ましの言葉をちょうだいしました。また今回は中国大使館教育処より、胡志平公使参事官と安載鶴一等書記官にもご臨席たまわり、胡公使からはお祝いの言葉をいただきました。

2018年1月13日 表彰式 受賞者と選考委員会、中国大使館教育処胡志平公使参事官(前列右2)

2018年1月13日 表彰式 受賞者と選考委員会、中国大使館教育処      胡志平公使参事官(前列右2)

彰式後に行われた祝賀会では、受賞者のお二人から今後の研究計画をうかがったり、選考委員会の先生方からそれぞれ研究についてのアドバイスをいただいたりしました。お二人のますますのご活躍が期待されます。

当会館では今後も引き続き、中国からの留学生を支援する事業を進めていきたいと考えております。

日中友好岸関子賞事務局 担当:沼﨑

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