「日中植林・植樹国際連帯事業」2018年度中国社会科学院青年研究者代表団第1陣

 2018年5月20日から5月27日までの8日間、中国社会科学院が派遣する2018年度中国社会科学院青年研究者代表団第1陣一行24名(団長=田徳文 中国社会科学院国際合作局・副局長)が来日した。外務省が実施する「日中植林・植樹国際連帯事業」の一環として招聘した。

 代表団は東京、宮城を訪問し、訪日テーマ「防災・環境」について、自治体や研究機関で専門家や研究者と意見交換を行ったほか、関連施設やNPO等関連団体を訪問し、東日本大震災以降の日本の防災減災対策や防災教育について理解を深めた。また、宮城県気仙沼市で植樹活動に参加し、防災及び環境意識を高めるとともに、各地で歴史、自然、経済、先端技術など、日本に対する包括的な理解を深めた。

 

「自助・共助・公助」が一体となった日本の災害対策を学ぶ

 代表団は、東京で渋谷区防災センターを訪問し、渋谷区危機管理対策部防災課から家庭、地域、区が一体となった震災対策の説明を受けた。また、首都直下地震等で発生する帰宅困難者に対応するための避難計画やIT企業と連携した防災対策、区が独自で取り組む総合防災訓練イベント・防災フェスの紹介を受け、都市防災の問題や「自助・共助・公助」の考え方について学んだ。その後、東京大学大学院情報学環総合防災情報研究センターの関谷直也准教授より、「情報」を核に「減災」を目指す同センターの活動と、社会心理学からアプローチした災害時の情報伝達や風評被害に関するモニタリング調査結果に関する研究紹介を受け、意見交換を行った。

 

宮城で記念植樹や防災・環境プログラムに参加

 宮城では、東北大学で文豪・魯迅が医学を学んだ階段教室を参観した後、災害科学国際研究所の島田明夫教授より、日本の防災関連法制の現状、及び大学院生らとのワークショップで判明した東日本大震災の実態に照らした災害法制の問題点と、改善すべき提言内容についてブリーフを受けた。また、震災後再建された仙台市南蒲生浄化センターを訪問し、津波対策と環境に配慮した最先端の下水浄化技術を学んだほか、甚大な津波被害を受けた沿岸の気仙沼市、石巻市を訪問、気仙沼・本吉広域防災センターでは地震・煙体験を通じ災害の恐ろしさを体感し、幼い頃から防災意識を涵養する日本の防災教育について理解を深めた。(公社)みらいサポート石巻では、語り部による震災講話を聞き、タブレットで被災当時の様子や石巻の過去・現在・未来を紹介しながら街を歩く津波伝承プログラムに参加、津波の脅威と未来に向けた復興事業についても理解を深めた。

 続いて、気仙沼市階上地区にて、NPO法人海べの森をつくろう会の協力のもと、津波被害を受けた農地で防災林再生の意味も込め、梅の苗木を1人1本ずつ記念植樹した。中国から日本に伝来した梅を植えたことは日中友好のみならず、震災の記憶を風化させず未来へ繋げる活動となり、団員にとって大変貴重な機会となった。

 

 そのほか一行は、東京で浅草、皇居二重橋、湯島天神、TEPIA先端技術館を視察・参観した。宮城では仙台市博物館・魯迅の碑や松島・五大堂を参観し、日本の多彩な魅力に触れることができた。

 8日間の訪日活動を通し、団員からは、「日本の防災は個人の自助とコミュニティにおける共助を重視しており、社会全体が一丸となって災害予防に取り組む姿勢は素晴らしい」「小さい頃から防災意識を高めるための防災教育がとても参考になった」「被災地に植樹できたことは有意義な経験だった」「災害復興において、物資面でのサポートのみならず、人々に配慮したソフト面の支援が更に大切だと感じた」など思い思いの感想が聞かれた。それぞれが今回の訪日で得た成果を今後の研究や生活に生かしていこうと強く意識する貴重な機会となったと思われる。

日程表 参加者の感想

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