「日中植林・植樹国際連帯事業」2018年度中国社会科学院青年研究者代表団第2陣

 2018年10月14日から10月21日までの日程で、2018年度中国社会科学院青年研究者代表団第2陣(団長=閆坤 中国社会科学院 農村発展研究所 副所長)が来日した。本団は、中国社会科学院に所属する若手研究者で構成された計25名で、外務省が実施する「日中植林・植樹国際連帯事業」の一環として招聘した。

 代表団は東京、三重を訪問し、訪日テーマ「農村振興」について、農林水産省や研究機関、自治体、地域活性化に取り組む団体、関連施設等のブリーフ、視察等を通じて理解を深め、関係者と交流した。また、環境と防災に関する施設を視察し、記念植樹を行った。

 

農村振興政策と現場の取り組みを学ぶ

 代表団は東京で、農林水産省を訪問し日本の農村振興政策について説明を受けたほか、農林中金総合研究所にて、日本農業の概要と農業振興政策についてブリーフを受け、理解を深めた。農林中金総合研究所では、代表団団員からも中国の農村振興戦略について発表し、意見交換を行った。日中双方に共通する課題に関しては互いの考えを述べあい、日本の特色ある取り組み等については多くの質問があがった。

 実際に地域振興に熱心に取り組んでいる地域として、三重県大紀町を訪問し、農村振興の事例を視察した。まず初めに大紀町地域活性化協議会より、地域のつながりを利用したさまざまな地域活性化の取り組みについて話を聞いたほか、「良質な牛乳づくりは健康な牛作りから」をスローガンに、乳牛の飼育から販売まで一貫して行っている大内山酪農農業協同組合の牛乳生産工場を視察し、六次産業化の具体例を学んだ。また、廃校となった小学校を活用して地域の絆づくりを行い、その一環として、茶農園を地域と都市部の人々とをつなぐ交流拠点とするプロジェクトに取り組んでいる野原村元気づくり協議会を訪問し、観光農業の実例を視察したほか、同協議会が地元住民とジビエなどの地元の食材を使って作ったお弁当も味わった。最後に、大紀町が農村振興の一環として力を入れている農村民泊を体験し、日本の農村の暮らしに触れ、大紀町の住民と交流を深めた。

 団員からは、「日本の農村振興は現代化と産業化というよりも、農民(特に高齢者)のやる気を起こさせることに重点が置かれており、その点を省察したい」「社会保障制度が整い、個人は経済的な自由があり、仕事をただ生活のためにするのではなく、退職後も個人の興味によって自由に社会活動に参加し、力を発揮することを生きがいとしていることは学ぶべき点だ」「日本は非政府組織や地域コミュニティ―が地域振興に大きな力を発揮していることがよくわかった」などの感想が聞かれた。

 

公害からの教訓・防災の取り組みも理解

 四日市公害と環境未来館を参観し、1960年代に四日市市で発生した公害の歴史と教訓を学んだ。また、東日本大震災より以前から「防災のまち」として津波対策に積極的に取り組んでいる大紀町にて、役場の職員の説明を受けながら防災タワーを視察した。さらに、同町野原の旧七保第一小学校の前庭に桜を1本植樹し、今回の交流の記念とした。

 そのほか一行は、東京で江戸東京博物館と皇居・二重橋、三重で伊勢神宮とミキモト真珠島を参観し、日本の多様な文化・歴史を満喫した。

  「農村振興は」は中国が直面する課題の一つであり、また、環境・防災も含め、代表団一行が今回の訪日で得た成果を今後の研究や業務に生かしていくことが期待される。

日程表

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