第十六回中国教育関係者代表団

中野譲外務大臣政務官(右)に訪日の期待を語る王占起団長(左)

中野譲外務大臣政務官(右)に訪日の期待を語る王占起団長(左)

 当財団は、外務省の委託を受け、日中相互理解増進事業として、平成8年度(96年)より毎年、中国の小・中・高等学校の教員並びに教育関係者の招聘事業である「中国教育関係者代表団」を実施している。今回で16回目を迎え、同代表団一行30名(団長:王占起 中国日本友好協会 政治交流部部長)が、2011年11月15日(火)から11月22日(火)までの日程で来日した。団員は中国日本友好協会が組織し、北京市、山東省、黒龍江省、吉林省、湖北省、四川省の1市5省の教育現場の最前線で活躍する小・中学校、高校の校長や副校長、教員で構成された。
 代表団は東京、京都、大阪を訪問し、小学校、高校、中高一貫校、大学、そして教育委員会への訪問や文部科学省ブリーフィングへの参加を通して、日本の教育事情についての理解と知識を深めると共に、教師や教育関係者、生徒たちと交流し友好を深めることができた。各訪問先では懇談の機会を得、日中の教育関係者がそれぞれの教育実践の現状や課題について、活発な意見交換を行った。
 来日当日は、歓迎レセプションに参加。遠山茂 外務省アジア大洋州局中国・モンゴル課地域調整官、李春生 中華人民共和国駐日本国大使館一等書記官ほか、訪問先関係者が出席し、賑やかに行われた。16日には代表者が中野譲 外務大臣政務官を表敬訪問、また、全員で文部科学省を訪問し、池原充洋 大臣官房国際課長から、「教育交流に大きな成果を期待する」と挨拶があった。また、「教育委員会制度、学習指導要領、教員研修制度・教員免許更新制」をテーマとしたブリーフィングに参加し、日本と中国の教育制度の違いを理解することができた。

日本の教育現場を訪問、教員や生徒たちと意見交換

日本の給食を体験する団員たち(於千代田区立和泉小学校)

日本の給食を体験する団員たち(於千代田区立和泉小学校)

 来日の最大の目的である教育現場の視察としては、東京3校(千代田区立和泉小学校、千代田区立九段中等教育学校、武蔵高等学校中学校)、京都1校(京都大学)、大阪1校(大阪府立北野高等学校)の計5校の教育機関を訪問。それぞれ学校紹介を受け、授業や施設を見学した。千代田区立九段中等教育学校と武蔵高等学校中学校は中高一貫校であり、代表団は公立と私立、2つの中高一貫校の訪問を通じ、特徴ある教育理念や中高一貫ならではの教育制度について理解を深めた。千代田区立和泉小学校ではビッグバンドクラブの演奏で迎えられ、学芸会の練習を見学しながら児童と交流したり、給食体験をしたりし、充実した訪問となった。また、大阪では府内トップクラスの進学校である府立北野高等学校を訪問し、校内を見学した後、中国人生徒2名を含む7名の生徒と交流した。団員から生徒に、なぜ今の段階で明確に将来像を描けるのか、中国が日本の学校教育に学ぶべき点はどこだと思うか、など、さまざまな質問が出され、あっという間に3時間の訪問時間が終了した。
 京都大学では大学概要の紹介を受けた後、京都大学百周年時計台記念館の免震装置と資料館を見学した。中国でも地震に対する関心が高まっており、団員は免震装置の実物を見ながら、材質や特許などについて熱心に質問した。
 大阪府教育委員会との懇談会では、大阪府の教育の概要が紹介された後、意見交換が行われた。大阪府教育委員会からは高等学校課、小中学校課、教育総務企画課など、さまざまなセクションから出席があり、団員からの「教員に対する定期的な勤務評価はどのように行われているか」、「企業や商店に赴くキャリア教育の目指すものは何か」、「小学校教員はどのような基準で採用されるか」といった質問に丁寧に回答され、団員にとって大きな収穫があった。
 また、滞在中には阿倍野防災センター、金閣寺、大阪城、パナソニックセンター、西陣織など、日本の歴史、経済、防災、科学技術、文化に関する参観・体験を行い、幅広く日本を理解する機会を得ることができた。21日に行われた歓送報告会には、袁自煌 中華人民共和国駐大阪総領事館教育室長や大阪府教育委員会関係者、また、2011年9月に日本教育関係者訪中団に参加した関西地区の教育関係者も参加し、アットホームな雰囲気の中で訪日を締めくくった。各テーブルでは今回の訪問先での多彩なプログラムや、日本の教育関係者や生徒・児童と交流した感想が語られた。また、日本で見たこと、学んだこと、体験したことを帰国後に自分の同僚や生徒に伝えると話す団員が多かった。
 代表団はすべての交流プログラムを終了し、11月22日に関西国際空港より帰国の途に就いた。当事業の実施にご協力いただいた外務省、文部科学省、東京都教育庁、大阪府教育委員会並びに受入関係機関、学校関係者の皆さまに厚く御礼申し上げたい。
 当財団は今後とも、教育関係者の交流と青少年交流を両輪と考え、双方の交流内容の充実が図れるよう、努力していく所存である。

(総合交流部)

日程表 参加者感想文

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