新時代を担う日中友好の架け橋に

「JENESYS2019」中国社会科学院青年研究者代表団第1陣

 2019年5月12日から5月19日までの8日間、「JENESYS2019」中国社会科学院青年研究者代表団第1陣一行23名(団長=何徳旭・中国社会科学院財経戦略研究院 院長)が来日した。本団は、中国社会科学院に所属する青年で構成され、「生態環境保護」を訪日テーマとし、東京・徳島にて訪問・視察を行い関係者と交流したほか、産業・歴史・文化・自然の参観など、さまざまなプログラムを通じて包括的な対日理解を深めた。

 

日本の廃棄物・ゴミ処理や環境教育について学ぶ

 東京で、環境省による生態環境保護に関する取り組みについてブリーフを受け、廃棄物処理システムや工業汚染対策、環境教育の推進などの方策について理解を深めた。早稲田大学社会科学総合学術院では相互発表を行い、持続可能性の経済理論を理解するとともに、中国の大気汚染対策の現状を紹介し、双方、研究内容について活発な意見交換をすることができた。東京都環境公社より東京スーパーエコタウンの事業説明を受けた後、東京スーパーエコタウン施設のJ&T環境株式会社と中央防波堤埋立処分場を視察し、東京の廃棄物問題や先進的技術について学んだ。

 徳島では、大塚製薬株式会社徳島板野工場を訪問し、環境に配慮した工場経営や地域の小中学校への環境教育の取り組みの紹介を受け、企業の社会的役割を新たに認識することができた。また、徳島県上勝町を訪問し、町で取り組んでいるゼロ・ウェイスト、彩事業、木質バイオマス事業について説明を受け、現場視察を行った。小さな町でも持続可能な社会を目指し、さまざまな取り組みを行い、成果をあげていることを知った。徳島大学では、総合科学部の眞弓浩三教授より国際的視点からのエネルギー分析などのブリーフを受けた。各訪問先で活発に交流や質疑応答が行われ、日本の廃棄物・ゴミ処理や環境教育の重要性など、生態環境保護について多面的に学ぶことができ、実り多い訪問となった。

 8日間の訪日活動を通し、団員からは、「日本社会の環境保護に対する意識の高さは、教育や日本の伝統文化によるものだと感じた。中国でも伝統文化が環境問題の解決に結びつくか研究を深めたい」「日本ではゴミを細かく分類し、リデュース・リユース・リサイクル活動を広く行っていることを知った。帰国したら今回学んだことを周りの人に伝え、自分もゴミを減らすことから始めたい」「自然環境を活かした経済向上の取り組みは、地域活性化や高齢化社会の問題を解決させる参考になった」「今回の訪日活動で知りあった方々と今後も連絡を取り合い、学術交流を深めたい」など思い思いの感想が聞かれた。それぞれが今回の訪日で得た成果を今後の研究や生活に生かしていこうと強く意識する貴重な機会となったと思われる。

日程表 参加者の感想