平成22年度 中国青年メディア関係者代表団 第3陣が来日 「グローバル企業経営」、「高齢化社会と福祉」をテーマに活動

毎日新聞社で報道システムの違いを討論

毎日新聞社で報道システムの違いを討論

 1月24日から30日の日程で、平成22年度中国青年メディア関係者代表団第3陣(団長=季星星・中国国務院新聞弁公室研究室副局長)が来日した。一行は、同弁公室の幹部4名及び、中央・地方の若手メディア関係者、メディア行政関係者68名からなる計72名で、新聞・テレビ・ラジオ・インターネットなど各分野の従事者が中国全土より集まり、多様性に富んだメンバー構成となった。訪日期間中は2分団に分かれ、「グローバル企業経営」、「高齢化社会と福祉」をテーマとしてそれぞれ視察や交流を行った。
 本団招聘事業は、平成19年度より、外務省が推進している「21世紀東アジア青少年大交流計画(日中21世紀交流事業)」に、平成22年度より700名の交流拡大が決定され、そのうちの1分野として実施されたものである。2010年8月と11月に続き、今回が第3回目の招聘となった。
 25日夜に、代表団の訪日を歓迎し、レセプションが行われた。江田五月・法務大臣/(財)日中友好会館会長、菊田真紀子・外務大臣政務官、鄧偉・中華人民共和国駐日本国大使館参事官、季星星団長をはじめとする代表団団員、日本のメディア関係者などが出席した。

メディア懇談会、外務省訪問で「日中関係」を熱く議論
 来日2日目に、2分団の共通プログラムとして共同通信社本社にて「日中関係とメディアの役割」をテーマとする日中メディア懇談会が開催された。中川潔・同社アジア室室長による基調講演のあと、日本側主席者と意見交換を行った。グループディスカッションでは、「メディアが国内世論に迎合し、偏った報道をすることが双方の国民感情に悪影響を及ぼす。客観的かつ多様性のある報道が大切」との意見で双方が一致した。またこのような交流活動を通して相互理解を深めることが客観的な報道につながるとの意見があった。活発な議論が90分にわたって続き、グループごとに様々な意見交換がなされた。
 3日目の26日に、代表団は外務省を訪問し、古谷徳郎・同省アジア大洋州局中国・モンゴル課日中経済室長による講演を聞いた。団員は経済的観点から見た日中関係の重要性を再確認したようだった。質疑応答では、日本と中国の経済成長戦略産業や中国からのレアアース輸入問題など、どれも両国で関心の高い質問が出され、内容の濃い意見交換の場となった。続いて行われた外務省若手省員との昼食懇談会では、青年同士、互いに興味ある様々なテーマについて語り合った。

大阪で多彩な視察・交流を展開

大阪保健福祉専門学校で入浴実習室を視察

大阪保健福祉専門学校で入浴実習室を視察

 「グローバル企業経営」をテーマとする第1分団は25日、塚田實・(株)日立総合計画研究所取締役社長を講師に迎え、「日立グループのアジア・中国への事業展開及びグローバル戦略」というテーマの講演を聞いた。日立グループの会社概要、売上総額に対し日立中国が占める比率や、中国へ派遣する社員の増員を図るなど、中国市場の重要性が挙げられ、団員たちは真剣に耳を傾けていた。
 27日は毎日新聞社を訪問。2グループに分かれて、MOTTAINAI STATIONを見学。ここでは「MOTTAINAI」をキーフレーズにリサイクル商品の販売や、売り上げを植林活動に使用するなど、環境保全の取り組みが紹介されていた。外信部や社会部など社内を見学した後、6グループに分かれた懇談では、日中メディアの報道システムの違い、ネット事業への参入について、特派員経験者を含む同社関係者と熱心に意見交換をした。
 28日午前、松下幸之助歴史館とパナソニックセンター大阪を訪問。歴史館では、松下幸之助の生い立ちや経営理念の中国語VTRを見た。館内見学では、鄧小平氏や胡錦濤国家主席がパナソニックを訪問した際の映像や、白黒テレビ、冷蔵庫、洗濯機など当時の三種の神器コーナーに興味津津のようだった。歴史館とパナソニックセンター大阪の参観を通じて、昔と今、そして近未来のパナソニックを理解できたとの声が聞かれた。同日午後は、(社)関西経済連合会国際委員会正副委員長との懇談会に参加。日本側は田嶋英雄・コニカミノルタホールディングス(株)名誉顧問、松尾博人・(株)クラレ相談役、桑山信雄・伊藤忠商事(株)専務執行委員らが出席した。 関西経済連合会より環境先進地域・関西としての活動のプレゼンテーションや、3社がそれぞれ自社事業の紹介を行った後、3グループに分かれて懇談を行った。懇談では団員から、中国国内にどのくらい拠点があるのか、対中事業での問題点など、活発な質問が多数飛び出した。
 「高齢化社会と福祉」をテーマとする第2分団は、25日に厚生労働省を訪れ、森真弘・厚生労働省老健局総務課課長補佐による「介護保険制度の概要と課題について」のブリーフを聴講した。中国は日本と同様のスピードで高齢化社会に進みつつあり、介護保険制度もまだ発展途上にあるため、中国の未来を担う団員達は真剣なまなざしで講義に聞き入っていた。最後に団員より、「これから高齢化社会へと進む中国にアドバイスを」と言われ、森課長補佐は「介護人材の育成と確保」、「福祉財源の確保」という2点を挙げた。
 27日は朝日新聞社本社を訪問し、報道編成局や印刷工場を見学した後、グループ懇談を行った。テーマである福祉や介護に関する話題や、報道の現状などが活発に議論された。日本側から、介護に関する報道のための資料を提供すると約束されるなど、今後、中国の介護福祉報道に影響を及ぼしそうだ。
 28日は、午前中に大阪保健福祉専門学校を訪問し、午後は特定非営利活動法人高齢者外出介助の会(以下、高齢者外出介助の会)を訪問した。大阪保健福祉専門学校では、介護人材育成の現場を視察し、高齢化社会における介護人材の育成と確保に関する課題について学んだ。また、介護福祉科の学生たちと交流し、介護の道に進む学生たちの思いや考え方を直に聞くことができ、代表団にとって貴重な体験となった。
 午後は、高齢者外出介助の会の永井佳子事務局長と大阪市社会福祉協議会の溝渕肇福祉部地域福祉課副主幹より、それぞれ会の活動と社会福祉協議会の概要について紹介があった。その後、高齢者外出介助の会の活動の一つであるサロンの「歌の会」に参加している70~80歳代のメンバーより歌が披露された。多くの団員が日本の高齢者の生き生きとした姿に感銘を受け、質疑応答では「歌の会」のメンバーに質問が殺到した。様々な世代の日本人と触れ合うことで、多様多彩な日本社会を体感することができた。
 その他、代表団は防災体験、金閣寺・嵐山視察、絵付け体験などを通じて日本文化に触れ、日本への理解を深めた。
 29日夜に歓送報告会を行い、日本滞在中の活動や体験を振り返った。感想では、中国に帰ったら今回の体験を多くの人に伝えたいとの意気込みが聞かれ、賑やかな雰囲気の中、皆で訪日活動の成功を祝った。
 代表団一行は、7日間の日程を終え、1月30日に関西空港より帰国の途についた。本事業の実施にご協力頂いた外務省、中国大使館、受入関係機関等の皆様に厚く御礼申し上げたい。

(総合交流部)

日程表 参加者感想文

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