新時代を担う日中友好の架け橋に

「JENESYS2019」中国青年メディア関係者代表団第2陣

 2019年11月10日から11月17日までの日程で、中国青年メディア関係者代表団第2陣(団長:夏光明 中共中央委員会宣伝部 弁公庁 副主任)が来日した。本団は、中国でメディア関係の仕事に携わる青年で構成された計56名で、外務省が推進する対日理解促進交流プログラム「JENESYS2019」の一環として招聘した。

 代表団は2分団に分かれて東京のほか、愛知、三重、福岡、山口を訪問し、分団テーマである「医療・介護」(第1分団)、「教育」(第2分団)を中心に、官庁や地方自治体のブリーフ、関連企業・団体や施設の訪問・視察を行った。また、日本のメディアへの訪問・交流や、街頭での自由取材を行ったほか、地方都市における参観、ホームステイ体験など、さまざまなプログラムを通じて包括的な対日理解を深めた。

 

各地でメディアを訪問し、関係者と交流

 各分団とも都内で1回、地方で1回メディア機関を訪問。第1分団は日本テレビ放送網(株)と(株)中日新聞社、第2分団は(株)TBSテレビと(株)西日本新聞社を訪れ、関係者との交流や社内見学が行われた。ニューメディアの衝撃に対し伝統的メディアはどう対処するか、フェイクニュースに騙されないための情報選別方法、著作権・版権問題など、自由に意見交換が行われ、双方のメディア事情を知る有意義な時間となり、今後日中間で協力できる点について考えるきっかけとなった。

 

テーマに関する視察やブリーフで日本の事情を理解

 首都圏で、第1分団はオリンパスミュージアムを訪問したほか、社会福祉法人シルヴァーウィングが運営する特別養護老人ホームと通所介護施設を視察。東京の中心部で介護ロボットを積極的に取り入れ、住宅・生活支援・介護・医療を同時に提供する民間による医療・介護サービスに理解を深めた。第2分団は文部科学省から学校・家庭・地域が協働して子どもを育むコミュニティ・スクールの仕組みについてブリーフを受けたほか、職業体験施設「カンドゥー」を訪問し、日本の楽しみながら学ぶキャリア教育について理解を深めた。

 分団毎の自由取材では、それぞれ巣鴨地蔵通り商店街、十条銀座商店街を訪れ、店員や行き交う人々にインタビューを行い、地元の人々と触れ合いながら、海外メディアの視点から見た日本の魅力を自由に取材した。

 首都圏での活動を終えた代表団は、分団毎に地方を訪問。第1分団は三重県四日市市を訪問し、高齢福祉課から高齢者が住みなれた地域で安心して暮らし続けられる支援体制「地域包括ケアシステム」についてブリーフを受けたほか、住民主体で地域に医療・介護サービスを提供する社会福祉法人青山里会の活動を視察。また、在宅医療による緩和ケアに取り組むいしが在宅ケアクリニックを訪問し、在宅医療・介護の連携について理解を深めた。第2分団は地域教育力向上に積極的に注力している山口県下関市を訪問。教育委員会からコミュニティ・スクールの取組みの紹介を受けた後、下関市立夢が丘中学校を訪問し、実際にどのようにコミュニティ・スクールが機能しているか視察し、地域ボランティアの方と意見交換を行った。

 また、第1分団は三重県大紀町で、第2分団は山口県萩市で1泊2日ホームステイを体験した。言葉が通じないながらも日本の一般市民との交流を楽しんだ様子だった。

 団員からは「ニューメディアの衝撃などの課題解決に向け、これからも日中のメディアが知恵を出し合い、交流を深め協力関係を築いていきたい」「日本の医療・介護分野の取り組みは先端技術を取り入れながらも『人間が第一』であり、携わる人々が高齢者の生命の価値、社会的な価値を高める努力をしていることが深く印象に残った」「日本の教育について理解を深めることができ、進学率だけでなく、子どもの人格を育てること、幅広く成長できるよう手助けすることが重要だと感じた」「ホームステイ先では自然と人が調和した暮らしの素晴らしさを知った」「帰国後、日本で見たこと、日本が好きだという思いを自分たちの影響力を発揮して周りの人々へ発信していきたい」などの感想が聞かれた。中国の若手メディア関係者が8日間の訪日で感じた日本を、中国各地から発信することが期待される。

日程表 参加者の感想