新時代を担う日中友好の架け橋に

「日中植林・植樹国際連帯事業」2019年度中国大学生訪日団第2陣

 2019年11月11日から11月18日までの8日間、2019年度中国大学生訪日団第2陣(団長:程海波 中国日本友好協会 副秘書長)計149名が来日した。本団は「スポーツ」「文化」をテーマとし、囲碁・連珠、バドミントン、卓球を行う中国大学生・大学院生および美術、映像・撮影を学ぶ中国大学生・大学院生と引率で構成され、外務省が推進する「日中植林・植樹国際連帯事業」の一環として招聘した。

 訪日団は、東京・茨城・宮城・愛知・滋賀にて、環境に関するセミナーや環境・防災関連施設の視察、テーマに関する視察や体験を通じ、日本への多面的な理解を深めた。また、大学への訪問、植樹活動、ホームステイ等のプログラムを通じ、同世代の大学生や一般市民との交流・親睦を深めた。

 

日本の防災・減災、環境保護の取り組みを学ぶ

 訪日団は、一般社団法人Think the Earth理事・プロデューサーの上田壮一氏より「SDGsと世界のソーシャルデザイン」というテーマで講義を受けた。グッドデザイン賞を受賞したプロジェクトやモノの紹介、SDGsの教育普及プロジェクト等に関する話を通じて、コミュニケーションやデザインの力が人の心を動かし、社会・環境問題の解決支援や理解促進、行動促進を行うことができると学んだ。

 そのほか分団ごとに、東京都水の科学館では有明給水所の視察等を通じて水と水道への理解を深め、しながわ防災体験館の視察では、要介護者の避難訓練や心肺蘇生などを体験した。つくば市リサイクルセンターでは、ごみの種類により異なる処理工程を学んだ。第1分団は、宮城県東松島市のKIBOTCHAで東日本大震災被災者の震災講話を聞いたり、緊急時に役立つロープワークを学ぶなど、震災の悲惨さを知ると同時に自分の命を守る術を学んだ。また、東松島市大曲地区で海岸防災林を復旧するための抵抗性クロマツ930本を自らの手で植樹することにより、津波等の自然災害による被害を軽減させる防災林の重要性を実感した。

 

スポーツと文化をテーマに大学訪問や視察・体験

 第1分団(スポーツ)のバドミントン、卓球の学生は筑波大学を訪問し、日中対抗戦や日中学生がペアとなりダブルスを行ったほか、夕食交流会を実施し、スポーツを通じて国を超えた友情が育まれた。囲碁・連珠の学生は日本棋院を訪問し、日本大学生や高段者と対局を行った。宮城県では東北大学、東北福祉大学を訪問。東北大学では、囲碁部と卓球部との交流のほか、学生有志の案内でキャンパスを見学したり、魯迅の階段教室と関連資料も見学した。東北福祉大学ではバドミントン部との交流以外に坐禅も体験した。このほか、日本財団パラリンピックサポートセンターの協力によるパラスポーツ運動会に参加してパラスポーツを体験した。

 第2分団(文化)は、東京で日本大学芸術学部、愛知で名古屋芸術大学を訪問した。各大学にて、日本大学生が熱心に創作活動を行っている様子や日本の美術大学の授業の雰囲気を見学・体験したほか、同じ分野を学ぶ学生同士の交流を通じ、中国大学生は今後の自身の創作活動への大きな刺激を受けたようだった。名古屋芸術大学では日本大学生と一緒に記念植樹を行い、友情を深めることができた。このほか、東京国立博物館、国立映画アーカイブ、歌舞伎座を視察し、専門分野への造詣を深めた。

 また、第1分団は宮城県登米市、第2分団は滋賀県日野町でホームステイを実施した。団員は餅つき、薪割りを体験したり、郷土料理を作ったりと各家庭で中国都市部では味わえない貴重な体験をしながら、ホストファミリーと交流した。

 

 団員からは「大学訪問で日本の大学の雰囲気と学生達の活気や温かさを肌で感じることができた」「ダブルスを組むことでより深く理解しあえ、楽しく卓球ができた」「授業見学は貴重な体験だった。今回の経験を糧にして好きなデザインに没頭し続けたいと思った」「植樹で私達が植えた小さな苗が早く大きな木に成長し、丈夫な防災林になってほしい」「パラスポーツは初めて経験した。車椅子で飛び回るナビゲーターの方を見て障がい者への見方が変わった」「ホストファミリーがバスのところまで来てずっと手を振ってくれたのに感動した。この一日で言葉も国籍も越えて理解しあえたと思う」などさまざまな感想が聞かれた。

日程表 参加者の感想