新時代を担う日中友好の架け橋に

「JENESYS2019」アジア国際子ども映画祭2019参加訪日団

 2019年12月3日から12月11日までの日程で、「JENESYS2019」アジア国際子ども映画祭2019参加訪日団10名が来日した。本団は、第13回アジア国際子ども映画祭に作品を制作出品した中国高校生で構成され、外務省が推進する「JENESYS2019」の一環として招聘した。

 訪日団は、兵庫、埼玉、東京を訪れ、兵庫県南あわじ市にて、第13回アジア国際子ども映画祭に関連するプログラムに参加したほか、各地で日本の社会や文化、自然、歴史に関する視察など、さまざまな活動を行った。

 

映画祭作品と交流を通じて、各国・地域の多様な文化・価値観に触れる

 兵庫県南あわじ市では、映画祭本選大会までの4日間、日本を含む16カ国・地域の参加者が一堂に会し、さまざまなプログラムに参加した。「迷惑をかけることとは?」をテーマに制作した海外の全作品を鑑賞する視聴会では、制作者同士、一体となって率直に笑ったり驚いたりしながらも、互いのテーマのとらえ方や映像技術に着目し、理解を深めた。南あわじ市表敬・ウェルカムセレモニーでは、愛らしい園児のパフォーマンス、守本憲弘市長の友人に語りかけるような挨拶に迎えられ、会場は温かい歓迎の雰囲気に包まれた。映画祭本選大会で中国の作品は入賞できず、制作に真剣に取り組んだ団員は大変残念がったが、同時に「作品制作の段階から視野を広げ、いろいろな角度から物事を見ることができたのが最大の収穫だった。映画祭で入賞することよりも、多くの国・地域のさまざまな見方を知ることがとても重要だった」と前向きな感想も聞かれた。大会の前後には前夜祭、アフターパーティーと2つの交流会も催され、各国・地域が特色あふれる衣装や踊りを披露し合うと、あっという間に打ち解け、楽しく友情を分かち合った。

 また、吉備国際大学での交流では茶道も体験、所作やお茶を点てる手ほどきを受けることができた。

 

日本の高校生との交流、伝統文化体験、美しい自然・景色も満喫

 映画祭終了後、一行は東京で下北沢成徳高等学校を訪問した。調理の授業ではオムライスに挑戦し、日本の高校生と力を合わせ、自ら昼食を作って食べた。楽しいひとときであったと同時に、生徒の実践能力と生きていく力の育成を重視する日本の教育事情に触れる貴重な体験となった。

 その他、映像制作や文化体験に関連して、兵庫では、淡路島の郷土伝統芸能として名高い人形浄瑠璃を鑑賞。劇中でユーモラスに舞う戎さまから歓迎・激励を受け、親しみを感じながら芝居に引き込まれた。埼玉では、秩父神社を参観後、隣接の秩父まつり会館で秩父夜祭を疑似体験した。プロジェクションマッピングや3Dが祭りの様子をダイナミックに再現し、最新の映像技術の醍醐味も堪能することができた。これらの活動を通して、「中国の文化と相通ずるもの、日本ならではの特色、その両面がはっきり見えてきた」との感想も聞かれた。

日程表 参加者の感想