新時代を担う日中友好の架け橋に

「JENESYS2019」日本青年研究者訪中団 再会オンライン交流を開催

 2020年10月12日、「JENESYS2019」日本青年研究者訪中団 再会オンライン交流を開催した。本交流は新型コロナウイルスの影響で対面での交流が難しい中、何とか日中青少年交流を継続したいという考えから企画し、2019年度に実施した対日理解促進交流プログラム「JENESYS2019」のフォローアップの一環として実施した。 オンライン交流には、2019年7月に派遣した日本青年研究者訪中団の団員と受け入れ機関である中国社会科学院日本研究所の関係者計12名が参加した。交流内容は昨年のテーマである「日中関係の現状と協力の見込み」を踏襲し、日中参加者が4名ずつ交互にそれぞれの専門分野の観点から発表した。主な内容は、日中間の外交や政治の課題、コロナ時代の国際情勢や日中学術・伝統文化交流、高齢化・デジタル社会における日中の連携など多岐にわたり、メディアの情報からだけでは知り得ない、研究者ならではの知見を共有した。また、質疑応答と意見交換を通じて、日中間のさまざまな問題について本音をぶつけ合い、踏み込んだ議論ができた。 最後に、東京大学社会科学研究所の丸川知雄教授が「日中関係の健全かつ安定的な発展のためには、日本としての価値観をはっきり言明し、軍事と民主を分ける姿勢が大事ではないか」と述べ、中国社会科学院日本研究所の楊伯江所長が「新型コロナ危機をきっかけに、中日両国が新たな関係を構築しようとしている。コロナ禍の今こそチャンス、未来は悲観的ではない。幅広く有意義な議論ができたことに感謝する」と締めくくった。

 オンライン交流は初の試みであったが、昨年直接に交流したメンバー同士であるため、終始アットホームな雰囲気の中で進めることができ、参加者からは、「1年ぶりの再会が実現できて嬉しかった、今後の日中関係の展望について考えることができた」「オンライン交流の場があることは、一定の見識を持った研究者同士が利害関係なく意見交換でき、日中の対話のチャンネル拡大という意味で有意義だと感じた」「日中双方の発表者からさまざまな論点について話を聞くことができ、大変有意義だった。今後も双方の率直な意見を話し合うことが重要だと思った」といった感想が聞かれた。日中双方の参加者各人が新たな見解や発見を得て、相互理解を一層深め、大きな収穫を得ることができた。