新時代を担う日中友好の架け橋に

日中メディア対話会

 2020年12月17日、日中メディア対話会をオンラインで開催しました。本対話会は、2019年度に「日中植林・植樹国際連帯事業」で招聘した中国メディア訪日団の活動の一環として開催した「日中メディア対話会」に続く日中メディアの交流活動として実施しました。

 今回は、公益財団法人日中友好会館、宮本アジア研究所、上海外国語大学日本研究センター、北京の「シンクタンク鍵叡」の4者による共催で、会館事業として実施しました。また、新型コロナウイルスの感染拡大による渡航制限のため、東京と上海の会場をビデオ会議システムで繋いでの実施となりました。日本側9名、中国側21名の計30名の新聞・通信、テレビなどメディア関係者が参加し、発表と自由討論を行ったほか、中国大使館や上海外国語大学の学生などもオブザーバーとして参加しました。司会は、青樹明子日中友好会館理事と張桐「シンクタンク鍵叡」副総裁が務めました。

 開会にあたり、高洪中華日本学会会長と谷野作太郎日中友好会館顧問が挨拶し、谷野顧問は「日中メディア対話会は今回で4回目。昨年は東京で非常に良い議論ができた。日本と中国ではメディアに求められる役割が違い、日本は国家権力の監視、中国は党や政府の方針や政策を人民及び世界に伝えることである。しかし、日中が努力して安定した関係を作り、世界のために貢献するということは、共通の気持ちだと思う。大切なことは相互理解を深めることなので、今回は自分の意見を述べたてるだけでなく、相手がどういう意見を持っているかということにこそ耳を傾け、注力してほしい」と述べました。

 テーマを午前と午後で分け、午前は「ポストコロナにおける日中協力のあり方」、午後は「日・米の政権交代を踏まえての日中関係の行方」とし、日中のメディア関係者がそれぞれ5名ずつ、「新しい時代の新しい日中交流への一考査」「香港民主派が発信するSNSは、日本の世論にどういう影響を与えたか」「中日関係に関する報道は理性が必要」「日本のテレビにおけるコロナ報道」「中日は互いを“想像上の敵”にすべきではない」「ポストコロナ時代におけるグローバルサプライチェーンの変化と中日協力について」「withコロナの時代、日中はどのように協調できるか」「メディアによる中日関係を発展させる契機と挑戦」「バイデン米新政権のコロナ禍での米中関係」「異なる報道に見る日本メディアの信頼度」「習近平政権の行方と菅政権の対応」という発表を行い、その後、自由討論を行いました。自由討論では、テーマ以外についても幅広く自由闊達な意見交換ができ、大いに盛り上がりました。

 対話の後、上海外国語大学日本研究センターの廉徳瑰教授と谷野顧問が総括を行いました。廉教授は「今日一日、日中のメディアは胸襟を開いた、友好的で未来志向の討論を行うことができた。私からは“大局から始めるべき”と言いたい。このほど中日両国はRCEPに加盟した。ついに我々は日中の大局を見つけることができたのだ。両国は制度に違いがあるが、平和協力への障害にはならないはず。現在各論の衝突が大きくなり友好に影響しているが、それを乗り越えなければならない」と語りました。

 最後に、互いに違いを知り、等身大の姿を見ていくことが引き続き重要であり、メディアの責任でもあると確認し合い、対話会を締めくくりました。

日本側会場

日本側会場