新時代を担う日中友好の架け橋に

日中青少年交流事業 参加者のその後のストーリー(第5回)

 日中青少年交流事業の過去の参加者の方に、それぞれの「その後」のストーリーをうかがう当企画。

 今回は、2017年の中国大学生訪日団に参加し、その後日本の大学院に進学した毛宇(もう う)さんのインタビューを紹介します。

毛宇さん プロフィール

山西医科大学薬学院に在籍していた2017年(大学4年時)、「日中植林・植樹国際連帯事業」中国大学生友好交流訪日団第3陣(地方間交流)に参加。その後、名古屋大学大学院 医学系研究科 社会生命科学 環境労働衛生学に進学し、修士学位を取得。現在は博士課程で勉強を続けている。

 

 

日本の環境の良さは「天からの恵み」などではない - 医療分野を学ぶ私が見た日本

― 訪日活動の最大の収穫は何でしたか?

 

毛:日本側が主催した各種セミナーや参観・体験等の活動を通して、日本における環境保護や防災関連の成果や、参考になる理念を深く学ぶことができたことです。また日本の学生との交流活動では、中日双方の学生から、お互いにとってプラスとなる中日友好に対する期待と情熱が感じられました。

 

訪日団の日本側事務局担当者と一緒に

― 訪日中に見聞きしたことはその後の生活、学業、就職、仕事の方向性を決めるのに役立ちましたか?

 

毛:大学卒業後に海外で学ぶという学業面や、キャリアプランの方針を決める際の助けにもなりました。さまざまな交流活動のおかげで、日本の修士課程で学ぶ際にも学業生活に早く慣れることができ、順調に医学の修士学位を取得することができました。

  訪日で最も印象に残ったことは、日本の環境の良さは決して「天からの恵み」などではないということです。高度経済成長期の日本では、環境も一旦ひどい状況になり、何世代もの人々の健康を害してきました(例:イタイイタイ病)。現在の日本の環境が良いのは、人々の意識と努力の結果であり、また科学的、技術的なサポートによるものでもあります。このことにより、私は科学研究の道で引き続き研鑽を積んでいこうと決めました。

 

― 現在計画していることや将来の目標はありますか?

 

毛:日本で医学博士課程の勉強を続け、医療関係の仕事に就き、医療分野における中日協力を進める架け橋になりたいと思っています。将来の夢は、人々が劣悪な環境や災害による病気・苦しみから離れ、楽しく健康に人生を送るための助けとなることです。

 

― 日中青少年へのメッセージをお願いします。

毛:平和で友好的な環境は、偶然発生するものでも、運命づけられているものでもなく、人々が友好と平和を追求し、奮闘してきた結果だと伝えたいです。