新時代を担う日中友好の架け橋に

日中青少年交流事業 参加者のその後のストーリー(第6回)

 日中青少年交流事業の過去の参加者の方に、それぞれの「その後」のストーリーをうかがう当企画。

 今回は、2013年の中国大学生代表団に参加し、その後中国日本友好協会に就職した曽広明(そう こうめい)さんのインタビューを紹介します。

曽広明さん プロフィール

北京外国語大学 日本語系に在籍していた2013年(大学2年時)、キズナ強化プロジェクト 平成24年度中国大学生代表団に参加。卒業後、中国日本友好協会に就職。現在は友好交流部に所属し、日中青少年交流事業の企画・実施に携わっている。

 

 

 

中日民間友好交流の重要性を認識、自らが友好交流の架け橋に

― 訪日活動の最大の収穫は何でしたか?

 

曽:あの訪日は私にとって人生初の海外旅行で、収穫も大きく、強く記憶に残っています。まず、視野・見聞が広がり、日本社会と日本文化に対する理解も深まり、元々持っていたステレオタイプの印象と誤解・偏見が解消されました。そして、仙台の被災地訪問等の防災・減災関連のプログラムを通して、自身の防災意識が高まり、中日両国の防災・減災領域での交流・協力の認識も更に深まりました。加えて、同世代の日本大学生等、日本の人々との友好交流を行うことで、中日民間友好交流の重要性への認識が深まるとともに、文化交流サークル活動参加への熱意と学術研究への興味を掻き立てられました。

 

訪日団参加時、東京タワーの展望台で

― 訪日中に見聞きしたことはその後の生活、学業、就職、仕事の方向性を決めるのに役立ちましたか?

 

曽:訪日後は、日本語力の向上や日本の政治、経済、社会、文化等、多方面の学習・理解のために一層努力したほか、副専攻で国際関係の学位を二つ取得するなど、国際問題を包括的且つ客観的に扱う能力を伸ばしました。また、学生幹部として、中日大学生のさまざまな交流活動も、より積極的に企画・参加するようになり、ボランティアとしても、数多くの大型国際会議や展示会等に言語サポートサービスを提供するなど、中国と他国の民間友好交流の架け橋になるべく微力を捧げてきました。一連の学習訪問と校内外での活動を経て、知らず知らずのうちに感化される中で、現在中日友好協会に入って仕事をするための基礎が打ち建てられ、人生で奮闘すべき目標と努力の方向がはっきりしました。

 

― 現在計画していることや将来の目標はありますか?

 

曽:仕事の中で自分を磨き、多方面での能力を伸ばし、中日民間交流・協力のメカニズムやプラットフォームの構築と維持に貢献することです。また、中日両国の各界の人々にもっと中日友好事業に加わってもらい、特に両国青少年が正確な歴史観、価値観を身に着け、誤解や偏見を解き、真摯な友情が芽生えるよう促進していきたいです。

 

― 日中青少年へのメッセージをお願いします。

曽:情報化が急速に進んでいる今日において、もうずいぶん前から、情報収集の手段は、従来型の授業、書籍、テレビ、メディア等にとどまらなくなりました。氾濫する情報の海の中、両国青少年は正確な歴史観、価値観を持ち、情報の見分け方を学び、人の意見をむやみに信じたり盲従したりすることなく、包括的且つ客観的に中日関係と中日民間交流・協力について認識しなければなりません。青少年は国家の未来を担っています。両国の青少年が心技一体となり、中日の世々代々にわたる友好の美しい1ページを必ず描くことができると信じています。