新時代を担う日中友好の架け橋に

第3回日中大学生対話(オンライン交流)

 2021年3月17日、第3回日中大学生対話(オンライン交流)を開催した。日中大学生対話は、当公益財団と中国日本友好協会の共催で、日中学生交流連盟の協力、朝日新聞社の後援を得て、2018年度から実施が始まり、毎年、日中大学生が一堂に会してテーマに基づくディスカッションを行ってきた。3回目となる今回は、対面での交流が難しい状況にあるためインターネットを使って実施した。

 中国側は吉林省、雲南省、湖北省の大学生12名、日本側は東京都、宮城県、京都府、大阪府、兵庫県の大学生12名が参加し、日中混合の3グループに分かれて、それぞれのグループテーマ「普及したオンラインコミュニケーションで、私たちは何を生み出せるか」「日中の若者の結婚観の相違点について」「情報があふれ、真偽の見分けにくいネット時代をどう生きるか」について、率直かつ活発に議論した。その後、各グループの代表者が懇談の成果を発表し、それを受けて質疑応答と意見交換を行った。最後に中国日本友好協会の王占起副秘書長が感想・講評を述べた。

 各グループの成果発表では「オンラインコミュニケーションでは、公平な機会、ヒトとヒトとの新しいつながり方等が生み出された。オンラインだと自分の考えを伝えやすい、家族との連絡がしやすいというメリットがある一方、オンライン授業では集中力が保てないといったデメリットもある」「結婚相手の価値観を重視するのは日中共通だが、日本では結婚年齢を気にしないのに対し、中国では30歳までに結婚しないと周りからプレッシャーをかけられる等、結婚相手に対する要求や結婚の条件には共通点と相違点がある」「ネット時代においては、情報を受け取る前に疑問を抱き、自分自身で考える力を身につけることが必要で、そのために日中交流の機会を増やし、継続していくことが重要」等の意見が上がった。

 

 参加した中国の大学生からは「日本の大学生と一緒に討論し、視点や意見が異なることが分かり視野が広がった。今後もグループのメンバーと連絡を取り合い、国際的視野を持ち続け、中日交流に貢献したい」「交流中は心の距離が縮まり、国境が消えて仲の良い友達と話している気がした」「グループディスカッションが終わりに近づいた時、みんな名残惜しそうな顔をしていた。でもこの交流の終わりは、中日交流の終わりではなくスタートだ」と、日本の大学生からは「どのテーマも今の時代を生きる私たちには身近な存在であり、考えるべきことでもあるので、日中両国の視点から意見交換ができ、いい経験になった」「中国の学生の文化の違いや、結婚観の違いについて知ることができ、両国への理解を深めることができた」「国は違えど、同じ大学生という立場で交流を深め、お互いの国に行った時には会う約束をし、オンライン交流が終わった今でもやりとりをする等、友達になれたことを嬉しく思う」との感想が聞かれた。今回の交流を通じて、日中の大学生が互いに、相手国への理解を深め、同年代の考え方を知り、多くのことを学び、刺激を受けたことがうかがえた。今回生まれた友情が末永く続くことを願っている。