新時代を担う日中友好の架け橋に

「日中植林・植樹国際連帯事業」2021年度中国大学生オンライン交流(地方間交流)(宮城県―吉林省)

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宮城県による海岸防災林の再生に向けた取り組み紹介

個性豊かなこけしが並んだ絵付け体験

 

 

実施概要

実施日 : 2021年11月26日(金)

      14:30~18:00

主 催 : (公財)日中友好会館

協力機関: 中国日本友好協会、吉林省人民対外

      友好協会、宮城県

参加者 :   中国側 吉林外国語大学学生20名、

                 日本側 宮城県庁、鳴子温泉もりたび

      の会、東北大学教員・学生等(大学生

      13名)

 

内 容 :

友好交流都市提携を結ぶ宮城県と吉林省の大学生の交流及び宮城県のブリーフ、環境・防災に関する交流など

 

実施方法:

Web会議システム「Zoom」を使用したオンライン交流

 

 本交流は、日本と中国の友好交流都市提携を結ぶ地域の大学生・市民がオンラインで交流するもので、全4回のうちの第2回目として、宮城県と吉林省の間で行いました。今回の交流を通し、中国大学生が環境・防災への理解と対日理解を深めるとともに、宮城県と吉林省のさらなる友好関係の発展に寄与することを目的として実施しました。

 

宮城県のブリーフ

宮城県の職員が、宮城県と吉林省との交流、及び東日本大震災で流失した海岸防災林の再生への取り組みについて紹介し、「来年は友好都市締結35周年を迎え、これから更に両県省の交流を発展させたい」と述べました。

「こけし」を通じて持続可能な暮らしを学ぶ

鳴子温泉もりたびの会から、同会の森林資源を活用した観光振興や経済・社会の循環システム実現への取り組みについて紹介があった後、中国大学生は宮城県の工芸品である「こけし」の絵付けに挑戦しました。こけしや絵筆などは事前に中国側の会場に送られており、皆、思い思いに顔や模様を描いて、画面いっぱいに個性的な「こけし」が並びました。

東北大学との交流

冒頭、東北大学災害科学国際研究所の佐藤大介准教授より、「『ふるさとの歴史』を救う意味」と題して、災害でダメージを受けた古文書を保全する取り組みと、その意義について講義を受けました。また、東北大学が行っている千年希望の丘での植樹事業について紹介があり、最後に、東北大学の学生と4、5名ずつのグループに分かれて交流しました。短時間でしたが、両国の植林事情や同世代ならではの話題で盛り上がりました。

プログラム

①防災に関する講義「『ふるさとの歴史』を救う意味」

佐藤大介 東北大学 災害科学国際研究所 准教授

②宮城県挨拶、吉林省挨拶、全体説明

③宮城県によるブリーフ

「宮城県と吉林省との交流」、「海岸防災林の再生について」

④鳴子温泉もりたびの会によるブリーフ、「環境・防災に関する交流」及び「こけし」の絵付け体験

⑤東北大学との交流

大学紹介、千年希望の丘での植樹事業の紹介、

学生によるグループ交流、吉林省紹介動画鑑賞など

 

 

参加者の感想

【中国大学生の感想】

 吉林外国語大学 学生

環境保護や防災の意識がたいへん高まり、防災林などの重要性がよくわかりました。講座を通して宮城県についてたくさんのことを知り、大きく視野を広げることができました。初めて日本の大学生と交流して、とても楽しかったです。同世代の人と直接交流でき、日本の大学生の英語もすごいので、交流することで言語力も伸び、山のような収穫を得た感じがします。このような機会を持つことができてとてもうれしかったです^_^

 

 吉林外国語大学 学生

今回のオンライン交流を通じて、多くの収穫を得ました。私の故郷は中国の東南沿海地域なので、これまで自然災害は台風だけしか経験したことがありませんでした。防風林の役割は知っていましたが、私たちの生活にこんなに密接なものだとは思ってもいませんでした。以前、日本の大地震後のドキュメンタリーを見たことがあり、特に「風の電話~残された人々の声~」を見て、あの災害の悲惨さと日本国民の気持ちを痛感しました。さらに今回の交流を通して、都市や防風林の再建に深い感銘を受けました。どんなに大きな代価を払っても、やらなければならないことがあると知りました。宮城県の人々のように、植林植樹によって、災害を防いで故郷を守ると同時に、人と人との間に友情を築き、次世代を育み、継承していくことは、たいへん合理的な方法だ。ここまで、植林植樹事業を守り、またはそれに参加してきた方々に敬意を表したいと思います。(世界中で生きる)人々の生活を、より素晴らしいものにしてくださり、ありがとうございます。国籍に関わらず注がれた「大きな愛」によって、人類の素晴らしい精神が受け継がれていくのを見ることができました。

 また、今回、鳴子のこけしの件のおかげで、日本の「工匠精神」がほとんど分かるようになりました。木を十分に利用することも勉強になりました。千年希望の丘という計画も本当に感動しました。すごく長い時間がかかっても、代々、植林で故郷を守る決心に感動しました。そして、日本人だけでなく、色々な外国人も植林活動に参加しているビデオを見まして、やはり、人間は同じだと思って、人間の気持ちと善意は互いに通じ合えるものだと思います。日本の大学生と交流している時も、皆の気持ちを分かりまして、嬉しかったです。ありがとうございました。

 

 吉林外国語大学 学生

今回の交流会を通じて、災害被害を見ることができ、また日本がこの分野でどのような取り組みをしているのか知ることができました。環境保護の大切さとともに、防災の必要性も学ぶことができました。また、こけしの制作に参加できてとっても楽しかったです。オンラインのため、日本で体験することはできませんでしたが、日本の文化や風情を理解することもできました。機会があれば、実際に日本に行って体験したいです。

 

 吉林外国語大学 学生

日本は海岸線の長い国で、台風や津波などの自然災害によく見舞われています。防災林による防災対策は風を防ぎ土壌を固定する役割を果たすだけでなく、緑化面積を広げ、余分な温室効果ガスを吸収することもできます。一部の木材についてはリサイクルも可能であり、日本の文化的特色を持つこけし(木の人形)にすることで、文化的特色を顕彰するだけでなく、観光客の心を掴むこともできます。このような、大きな気づきを得ることができました。

また、友好都市のブリーフとその後の日本の大学生との交流を通じて、日本へ行きたい気持ちが更に強くなりました。機会があればぜひ、日本に行っていろいろ見て回りたいです。日本の大学生との交流は、初めはみんな恥ずかしがっていましたが、だんだんと和やかになっていきました。互いの趣味や勉強生活などを紹介しあいました。でも、少し残念なことに結局は交流時間が足りず、思う存分おしゃべりすることができませんでした。でも、楽しかったです。

 

 吉林外国語大学 学生

今回の交流活動を通じて、防災、植林、古文書レスキュー問題に対する理解を深めました。その中で一番印象深かったのは海辺防災林です。私の家が内陸都市なので、海辺に木を植えるのもそんな大きな効果があるとは思わなかったです。色々勉強になりました。また、中国で非常に流行ってるアニメを、日本人の学生さんはあまり知らないようでしたが、ちょっと中日の違うところを聞いてみました。非常におもしろいと思いました。

 

 吉林外国語大学 学生

今回のオンライン交流を通じて、日本は環境保護・リサイクル技術が成熟していることを知りました。温泉リゾートのエネルギー供給構造を見て非常に驚き、日本は環境保護の分野で本当にうまくやっているなあと思いました。古書の保存とレスキューという講座では、日本では災害が頻繁にあると思っていましたが、頻繁であると同時に、日本の古文書を大切にする思いと救出の速さにも感心させられました。日本の大学生と直接交流したとき、私たちのグループはみんな内向的だったのか、あまり議論できませんでしたが、楽しく交流し、東北大学の学生の日常や勉強生活を知ることができました。

【日本大学生の感想】

 東北大学 学生

私はファシリテーターの役でしたが、中国の学生さんたちがフレンドリーに話しかけてくれたので、グループでの会話がとても楽しくなりました。まだまだコロナの問題は続くと思いますので、オンラインでの交流を楽しく行う方法を身につけることも大切だなあと感じました。また、中国語を学んでみたいと思いました。

 

 東北大学 学生

吉林省が自然豊かで発展した都市であることを初めて知った。中国の方が植林経験があると話していて、私は植林をしてみたいと思っているため興味が湧いた。中国と日本の環境教育との違いを知りたいと思った。千年希望の丘は様々な人の手によって形成されたことがわかった。

 

 東北大学 学生

日本語専攻の学生と交流しコロナで日本に来ることができず困っている留学生がとても多いとわかった。このようなオンライン交流会があれば、そういった学生も少しは気分が晴れるのではないかと感じた。

 

 東北大学 学生

中国人学生がとても日本に対して友好的だった。