新時代を担う日中友好の架け橋に

「JENESYS2020」2021年度中国青年公益事業交流団オンライン交流(環境保護)

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環境省によるセミナーでの質疑応答

グループディスカッションでの活発な意見交換

 

 

 

実施概要

[実施日]

①2022年2月21日(月)15:00~17:00

②2022年2月28日(月)15:00~17:30

 

[参加者]

中国側:公益事業・ボランティアに従事する

           大学生等①32名 ②31名

日本側:①環境省1名

    ②環境保護活動を行う大学生等27名

 

[内 容]

①環境省によるセミナー

②気候変動問題をテーマとした日中大学生の交流

 

[実施方法]

Web 会議システム「Zoom」を使用したオンライン交流

 

[主 催]

(公財)日中友好会館、中国宋慶齢基金会

 

2021年度中国青年公益事業交流団オンライン交流は、「スポーツ」「環境保護」「ボランティア」をテーマとし、中国の政府機関や企業、大学で公益事業・ボランティアに従事する青年が、日本の同分野の関係者とテーマ別にオンラインで交流活動を行うものです。2回目となるテーマ「環境保護」は、世界の共通課題である気候変動やSDGsへの日本の取り組みついて理解を深めるとともに、日中両国の友好促進を図ることを目的として実施しました。

 

日本の気候変動対策について学ぶ

1回目の環境省によるセミナーでは、環境省 地球環境局 井上 直己 国際地球温暖化対策担当参事官補佐より、日本における気候変動対策について、現在の気候危機の状況や国際的な対策への動き、カーボンニュートラルや地域循環共生圏の構成への取り組み、日本の国際的な支援などについて、お話しいただきました。

 中国側参加者からは「経済発展とCO2削減はどうすれば両立できるか?」「真庭市の事例など、地方で様々な取り組みが行われているが、地方の取り組みに対して、環境省は何かインセンティブを与えているか?」「ソーラーパネル設置のため森林が破壊されることが起きている。どのような再生エネルギーがよいのか?」等、さまざまな質問があがりました。

 

気候変動問題に関し、日中双方の大学生が活発にディスカッション

 2回目は、「気候変動問題に対し私たちができること」を全体テーマとして、日中大学生の交流を行いました。

 まず、日中双方の学生の代表が、自身が取り組んでいるさまざまな環境保護活動について紹介した後、6グループに分かれてグループディスカッションを行いました。ディスカッションは、全体テーマに基づき、「個人・仲間と一緒にできること」、「地域と協力してできること」、「日中間で協力してできること」と3つのトピックを設け、各グループ1つのトピックについて活発に意見を交わしました。最後に、グループの代表者がディスカッションの内容を発表し、全員でその成果を共有しました。

 日中双方の学生は、それぞれの立場からどのように気候変動問題解決にアプローチできるか、取り組みを進めることができるか、ディスカッションを通じて、さまざまな視点や考え方を互いに学び合い、より考えを深めることができました。

プログラム

2月21日 環境省によるセミナー

①   セミナー「日本における気候変動対策について」

②   質疑応答

 

2月28日 気候変動問題をテーマとした

               日中大学生の交流

①   日本大学生代表による環境保護活動の活動事例

      の紹介

②   中国大学生代表による環境保護活動の活動事例

      の紹介

③   グループディスカッション

      6グループに分かれ全体テーマ「気候変動問題

      に対し私たちができること」に基づき、

      各グループで下記の通り1つのトピックについて

      意見交換

     「個人・仲間と一緒にできること」

       …グループ5、グループ6

     「地域と協力してできること」

       …グループ1、グループ4

     「日中間で協力してできること」

       …グループ2、グループ3

       ディスカッション内容の発表

 

 

参加者の感想

【中国側参加者の感想】

◆日本の同年代の人の環境保護に対する観点や活動を知ることができ、私たちの環境保護への取組みや施策を別の視点から見つめることができました。

 

◆気候変動に関する日本の政策や、同年代の日本の学生が企画した校内や地域での活動について知り、中国との共通点や多くの相違点を見つけることができました。日本の活動は比較的規模が大きく、ごみ処理についてはプロセスが細かく整備されています。これは、日本では幼い頃から始まる環境保護の教育・意識づけと密接に関係しています。同様に、中国の政策環境の中で設定されたカーボンピークアウト・カーボンニュートラル政策、都市部や農村部における新エネルギーの活用、企業が打ち出している環境保護への取り組みに日本の学生は驚いていました。このような国際的なオンライン交流によって、高い交流意欲の中で互いに学び合うことができました。

 

◆専門家の講義を聞き、日本の大学生と共に、個人として、仲間として、環境のために何ができるかを話し合ったことは、本当に有意義なことでした。今までよく知らなかったことを学べたと同時に、環境保護教育の面でも日本は実に他をリードしていると感心しました。環境保護は共に努力し、学び合い、手を取り合って進めていかなければなりません。

 

◆日本の多くの大学が環境保護に貢献していることを知り、環境保護に対する意識が高まり、今後の日本留学のための基礎づくりができました。

 

◆今回、日本の友人と環境保護や気候変動対策について意見を交わし、お互いに新しいことをたくさん学びました。例えば、私たちは日本のごみ分別が細かく厳しいことを知りましたが、日本の友人は中国のホテルでは使い捨てのアメニティグッズを使わないことができることを初めて知ったそうです。このほか、冷水で洗濯しても温水と同じくらいきれいになることなど、普段からできる環境保護の裏ワザをたくさん知りました。このような交流を通じて、両国の若者の友好を深め、共に地球環境を守っていければと思います。

 

 

【日本側参加者の感想】

◆気候変動に対する日中協力という点では、私たち学生が出来ることから、企業や国単位での協力まで幅広く対応が可能であり、実際になにか行動を起こすことが何よりも重要だということを改めて感じました。また、私たちと同年代の人の中にも、実際に国境を越えた活動を行っている人もいるということを知り、私もなにか行動を起こす必要があると思いました。中国で行われている、日本にはまだないプログラムについても初めて知ることができたため、今後それらについてもっと関心や理解を深めていきたいと思います。

 

◆私たちは地域で協力してできることについて話し合いました。中国と日本で、「地域」の感覚が違うということに驚きました。中国や日本のそれぞれの地域・大学で行われた活動を出し合いましたが、周辺地域の学校への環境教育が、多く行われていたことが興味深かったです。私たちと同じように小中学校へ環境教育をしている大学がいくつかありました。大学を地域のつながりの場にして、イベントなどを通して地域全体の環境意識を高めていくことが、私たち学生のできることだと思います。

 

◆今回のオンライン交流会では、多くのものを学んだ。ディスカッションの途中で出てくるアイディアは政策体制が反映されていたり、相手側の国家が今現在最も重要視しているものが見えてきて、聞いていて面白かった。(テクノロジーを駆使など)また、テーマはかなり広かったためいろんな話が聞けたが、更にテーマを絞り詳しく議論するというもの楽しかった。例えば、私のグループでは新エネルギーや電気自動車について興味関心が多い学生が多かったため、最後の時間は日中での違いや普及の現状、課題などを話し合った。私も新エネルギーや電気自動車には興味があったのでもっときちんと調べておけばよかったと後悔する場面もいくつかあったが、ニュースからは理解できない中国側の現状を聞けて大変内容の濃いディスカッションになった。このような機会を設けて頂きありがとうございました。機会があればまた参加したいです。

 

◆中国に実際に住んでいる方と事例等を紹介し合ったことで、より実態に沿った意見交換ができたように感じた。ディスカッションの中で、中国ではシェアリングエコノミーに関する取り組み、日本ではゴミの分別やリサイクルに関する取り組みがそれぞれ進んでいると分かった。両国が違った強みを持つからこそ、互いに交流を深めて知識や技術を交換することが重要なのだと理解することができ、とても有意義な機会となった。

 

◆中国と日本は近いようで互いに互いのことをあまりよく知らないのだと感じました。中国の学生さんの発表の中で、アプリを開発したとありました。ゲーム感覚で環境問題に取り組むことができるアプリでした。中国はテクノロジーの発展がめざましく、日本も学ぶ点が多いと思います。オンラインでの交流ではありましたが、貴重な経験となりました。参加してよかったです。ありがとうございました。