「JENESYS2.0」中国青年メディア関係者代表団第1陣

  2013年1月、インドネシア訪問中に安倍総理が、2007年から実施した「21世紀東アジア青少年大交流計画(JENESYS)」の後継事業として、2013年よりアジア大洋州諸国との間で3万人規模の青少年交流事業「JENESYS2.0」を実施することを発表。当公益財団は外務省の拠出を受け、同事業のうち日中青少年交流事業を実施することになった。

 3月10日から3月17日までの日程で、「JENESYS2.0」中国青年メディア関係者代表団第1陣(団長=武虹剣・中国国務院新聞弁公室国際局局長)が来日した。

 中国青年メディア関係者代表団は、中国国務院新聞弁公室が派遣する、中央・地方の若手メディア関係者、メディア行政関係者の招聘事業で、2010年から継続しているが、今回より「JENESYS2.0」の一環として行うことになった。第1陣は87名が来日し、日本のメディアに関する視察、交流のほか、「クールジャパン(コンテンツ産業、伝統工芸)」をテーマに活動した。

 

海外メディア独自の視点から日本の魅力を発見

 代表団一行は、外務省において今回のテーマである「クールジャパン」を含めた広報文化外交の現状についてブリーフを受けた後、海外メディア独自の視点で日本の強み、魅力を発見するべく、東京を代表する渋谷、原宿、秋葉原の3エリアに分かれ、「日本のここがクール」というテーマで自由取材を行った。団員たちは“ファッション、アニメ、流行”といったキーワードを実際目の当たりにしただけでなく、積極的に街頭インタビューを実施、団員それぞれが主体的に「クールジャパン」というテーマに向き合った。

 その後の地方訪問では、第1分団、第2分団は青森県を訪問した。第1分団はクールジャパンの中でも伝統工芸や伝統文化に焦点を置き、津軽を代表する伝統工芸・津軽塗の工房「田中屋」で、実際職人の作業風景を見ながら津軽塗の特徴や技法などのレクチャーを受けたほか、「津軽藩ねぷた村」で津軽三味線の演奏体験や弘前ねぷた祭りの歴史に触れた。第2分団は食文化に焦点を置き、明治に建設された歴史ある料亭「翠明荘」で、掛け軸や生け花、郷土や季節の食材、器、盛り付け、言葉遣いにいたるまで心を尽くす日本のもてなし文化についてレクチャーを受けた。また、日本で唯一のりんご専門の試験研究機関「青森県産業技術センターりんご研究所」を訪問、今から約140年前にたった3本の苗木の栽培から始まり、日本一の生産地にまでなった青森県のりんご栽培の歴史や、病気対策の研究、品種改良などについて説明を受けた。いずれの分野においても、地域の人々や文化とのかかわりを重視し、当事者だけでなく一般の人々も一体になり、郷土に対する愛着と努力と責任感を持ってそれらの文化を守り、継承していることに団員たちは深く感銘を受けていた。第2分団はそのほかにも東京で地方自治体のアンテナショップを視察、地域の食の豊かさ、魅力を発信するアンテナショップの役割や“ゆるキャラ”に代表される日本独特の広報展開、経済効果などについて視察した。

 第3分団は漫画・アニメに代表されるコンテンツ産業に焦点をあて、地方では札幌市を訪問した。世界中で人気を博しているバーチャルアイドル「初音ミク」を開発したクリプトン・フューチャー・メディア社を訪問、巨大マーケットを創出した「初音ミク」についてレクチャーを受け、世界をけん引する日本のコンテンツ産業の底力や、更なる発展性について学んだ。また札幌市役所より観光都市・札幌市の都市ブランド戦略、「初音ミク」を利用した観光プロモーションの取り組みなどの紹介を受けた。さらに東京では「三鷹の森ジブリ美術館」を視察した。

 また代表団は、日本が誇る最先端技術研究の現状を知るべく、東京大学先端科学技術研究センターを訪問、同センターの特徴や研究分野について紹介を受けた後、竹川暢之准教授から「グローバル化する大気環境問題」についてのレクチャーを受けた。昨今深刻化しつつあるPM2.5の問題も含め、発信力のあるメディア関係者に対し、「客観的に大気環境問題をとらえ、正しいデータをもとにわかりやすい報道を心掛けてほしい」とのメッセージ性のある内容となった。

 

日中のメディア関係者が交流

 メディアに関するプログラムとして、東京では第1分団が共同通信社、第2分団がNHK、第3分団がフジテレビを訪問、また青森県では第1分団・第2分団が東奥日報社を、札幌市では第3分団が北海道新聞社を訪問した。

 いずれもそれぞれの取り組み、報道姿勢などの紹介を受けたほか、メディア関係者同士で懇談した。折しも訪日期間中に東日本大震災からちょうど2年目を迎えたこともあり、震災報道に関するルールや被災地の取材で配慮する点、記者の二次被害を防ぐための留意点などにも話が及んだほか、団員の多くが関心を寄せている既存メディアに対する新しいメディアの台頭、共存について、またテーマであるクールジャパンについてなど、さまざまな質問があがった。地方紙においては、さらに地域の魅力を発信する取り組み、次代を担う子どもたちへのアプローチなど、地域に密着し、地域の将来を見据えたさまざまな取り組みに団員たちは関心を寄せていた。

 

今後の日中関係の発展に期待

 8日間の活動を通し、団員たちはそれぞれの視点で日本を見て、日本人と触れ合い、“互いを思いやる心の大切さ”も含めた「クールジャパン」を体感した。歓迎会で武虹剣団長が「北京の空気もいつか東京のようにきれいになると信じている。同じように中日両国の関係も、濃霧を突き破り、希望に満ちた明日を迎えることができると確信している」と述べた言葉のとおり、団員たちはそれぞれに得た訪日の成果を、今後の業務に生かすことを決意し、無事帰国の途についた。

 本団の受け入れにご協力下さった関係機関・関係者の皆様に、この場を借りて厚く御礼申し上げたい。

(総合交流部)

 

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