「JENESYS2.0」中国大学生訪日団第6陣

  9月23日から9月30日までの日程で、中国大学生訪日団第6陣(団長=王秀雲 中国日本友好協会副会長)が来日した。本団は、医学、薬学、中医学、臨床学等を履修している大学生と、中国で開催された日本語スピーチ大会及び日本語作文コンテストで入賞した大学生で構成された計60名で、外務省が実施する「JENESYS2.0」の一環として招聘した。

 訪日団は、東京、神奈川、兵庫、京都を訪問し、日本の大学生との交流や、先端医療・技術に関する施設訪問、地方自治体によるブリーフのほか、「クールジャパン」をテーマにさまざまなプログラムに参加し、政治・歴史・文化・社会に関する包括的な対日理解を深めた。

 

日本人の考え方や風習について理解

 訪日団は外務省において、東京大学大学院総合文化研究科の梶谷真司准教授より、「生と死の歴史哲学~近代化によって得たものと失ったもの」をテーマにセミナーを受けた。生と死というキーワードを通し、日本人の考え方や風習などを、これまでとは異なる視点で知る機会となった。医薬系学生・日本語履修学生ともに興味の持てる内容で、質疑応答では、近代にかけて無くなりつつある日本・中国の風習や、臓器移植や安楽死の話題など、それぞれの専攻に沿った内容の質問が出された。

 

同世代の学生と切磋琢磨しながらの交流

 団員は第1分団医学、第2分団日本語の2分団に分かれて、大学交流や関連分野の視察を行った。第1分団は東京女子医科大学を訪問し、同学と附属病院、及び併設する先端生命医科学研究所の概要について説明を受けた後、研究所内の施設を見学した。細胞シート工学による角膜上皮の再生治療や3次元心筋組織の構築といった最先端医療について学んだ後は、同学の学生や大学院生と昼食をとりながら交流した。同じ医学を志す学生同士、日中の医療制度の違いや学生生活、流行のファッションなど話題は尽きず、交流会は大変盛り上がった。第2分団は横浜市立大学を訪問し、「文化財が伝える日中文化交流」をテーマに、日本の学生と一緒に模擬授業を受けた。同学が所蔵する古地図や横浜絵を見ながら日中交流の歴史を学んだ後、「中国と日本の交流について考える」というテーマで、ディスカッションを行った。最後は各グループ日中学生が協力しながら、話し合った内容を発表し、自分たちの世代の交流が特に必要だとの意見が多く出され、日中交流の重要性を再認識する時間となった。

 兵庫県では、第1分団は神戸大学医学部を訪問し、医学科と保健学科の概要紹介を聞いた後、解剖実験室や情報端末室、附属病院などを見学した。施設見学では中国人留学生が通訳を担当、医学部教授からの質問に団員が答える場面もあった。その後、東洋医学研究会のメンバーが「現代日本における漢方医学」をテーマにプレゼンテーションを行い、続いて日中学生が昼食をとりながら、医学に対する思いや将来の夢などを語り合った。第2分団は神戸市外国語大学を訪問。中国学科で中国語を学ぶ学生と、日本語と中国語を使い分けながら交流した。ポップカルチャー、恋愛、アニメなど、同世代ならではの共通の話題で盛り上がり、最後は歌やカンフーなどのパフォーマンスを披露し合い、大いに盛り上がった。お互いの語学レベルの高さに驚き、さらに中国語・日本語を勉強しようと意識が高まったようで、今後もメールなどを通し、交流し続ける約束をしている学生がたくさんいた。

 

医療分野、環境分野における先端技術を学習

 第1分団はテルモメディカルプラネックスを訪問。最先端の医療研修施設を見学しながら、医療トレーニングを体験し、日本の最先端医療技術について理解を深めた。また、神戸市では医療産業都市の概要紹介を受け、理化学研究所と神戸医療機器開発センターを見学し、市による医療産業への取り組みについて学んだ。第2分団は昭和電工(株)で、プラスチックリサイクルの仕組みや、破砕形成設備、ガス化設備を視察し、日本の高いリサイクル技術を学んだ。また、神戸市環境局港島クリーンセンターでは、細かいゴミの分別方法やゴミ処理の過程や方法の説明と視察を通し、日本の環境保全に対する取り組みについて理解を深めることができた。

 

 また全員で、兵庫県産業労働部国際局から「兵庫県の概要と観光政策」というテーマでブリーフを受け、世界遺産姫路城や港町神戸の代表的な観光スポットをはじめ、宝塚歌劇団、手塚治虫などのアニメ、食文化など幅広く紹介があった。団員からは1998年の阪神淡路大震災からの復興や、兵庫の歴史についての質問があがり、中国とも長い交流の歴史を持つ兵庫県への関心の高さがうかがえた。

 そのほか一行は、国会議事堂、北野異人館街、人と防災未来センター、京都市内の世界遺産参観、和ろうそく手造り体験など、さまざまなプログラムを通してクールジャパンを体感した。ほとんどの団員が初来日で、「イメージしていた日本や日本人と違っていた」、「ハード面だけでなくソフト面の日本も中国の家族や友人に伝えたい」、「必ずまた日本に来たい」、といった感想が多く聞かれた。

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