「JENESYS2.0」中国大学生訪日団第11陣

 6月17日から6月24日までの日程で、中国大学生訪日団第11陣(団長=関立彤 中国日本友好協会秘書長)が来日した。本団は、教育学を学ぶ浙江省と安徽省の大学生で構成された計69名で、外務省が実施する「JENESYS2.0」の一環として招聘した。

訪日団は、東京、石川を訪問し、日本の大学生との交流や、日本の教育をテーマとしたセミナーや地方自治体によるブリーフ、環境・防災に関する視察のほか、「クールジャパン」を体感するさまざまなプログラムに参加し、政治・歴史・文化・社会など包括的な対日理解を深めた。

 

シティズンシップ教育について学ぶ

 訪日団は、東京大学大学院教育学研究科 小玉重夫教授より、「新しい時代の学校のあり方」をテーマにセミナーを受けた。社会の中で自分の存在を見つけられない、居場所が分からないといった、現代の社会で発生している課題について、映画や著書、テレビドラマの例を見ながら学んだ。大学生からは、スクールカーストによってもたらされた悪い影響に対して、日本の学校や社会はどのように対応しているか、学生が自信を失っている時に教師としてどのようにアドバイスしたらよいか、中国には職業カーストがあるが、どのように自分の心理状態をコントロールし、社会の中で生きて行けばよいか、といった質問が挙がり、現代の学校や社会におけるシティズンシップ(市民性)について考える機会となった。

 

同世代の学生とグループ交流会

 東京では東京学芸大学を訪問し、小学校教員養成課程社会選修の学生らと共に、「日本史演習A-1」の授業を受けた。「近代における日本と中国」をテーマに、鎖国時代における日本と中国の交流の歴史や、今に伝わる中国文化など、日本の学生の研究成果を聞き、これからの日中交流の大切さを学んだ。その後のグループ交流会では10グループに分かれ、フリートークを楽しんだ。教師を目指す学生同士、日中の教育の違いや学生生活、流行のファッションなど話題は尽きず、交流会は大変盛り上がった。

 石川では金沢大学を訪問。緑豊かなキャンパスを巡り、図書館やフレスコ壁画など見学した後、14グループに分かれて折り紙交流を行った。千羽鶴を折りながら、英語、日本語、中国語を使って歓談し、ポップカルチャーやアニメ、恋愛など、同世代ならではの共通の話題で持ち切りになり、各グループ笑い声であふれていた。最後は各グループで折った鶴を全て糸で繋げ、訪日団にプレゼントされた。

 両大学から大変温かく迎えられ、最後はメールアドレスや連絡先を交換し合い、今後も交流を続ける約束をしている学生がたくさんいた。

 

日本の教育現場、環境教育、防災教育を視察

 訪日団は石川県立金沢錦丘中学・高等学校にて、石川県教育委員会から「学力向上の取り組み」についてブリーフを受けた。中国とは異なる教育方法や取り組みについて学び、質疑応答では、「生徒の学習への興味はどのように引き出すのか」「道徳教育の具体的な内容について」「学力レベルはどう判断するか」といった質問が挙がった。その後、教育現場の視察として同校の中高生のクラスや実験室、体育等の授業を見学した。見学中もさまざまな質問がなされ、収穫の多い訪問となった。

 東京都水の科学館では、家庭への送水の仕組みや水の実験室で水の性質を学習した。池袋防災館では、震度7の地震体験、火災発生時の避難訓練、消火器訓練を行ったほか、防災映画を視聴し、災害時に何をするか?何ができるか?を学ぶきっかけとなった。大学生たちにとって、日本人が幼少期から行っている環境や防災教育の方法や、全国各地にある関連施設が大いに参考となったようだった。

 そのほか一行は、国会議事堂、東京スカイツリー、石川県立九谷焼美術館、長町武家屋敷跡、金沢21世紀美術館などを参観。兼六園では茶道体験も行い、さまざまな角度からクールジャパンを体感した。ほとんどの団員が初来日で、「日本の教育取り組みを知り、学ぶことが多かった」「日本の大学生と交流し、同じ夢や趣味を持ち、共通点もあることに気付いた」「日本人の感謝の気持ちを大切にする態度、もてなしの心に深く感動した」「今回の体験を家族や友人に伝え、日中関係の新しい未来に向かって努力したい」といった感想が多く聞かれた。

 

日程表 参加者の感想 関連報道

 

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