「JENESYS2.0」中国大学生訪日団第18陣

 1月20日から1月27日までの8日間、中国大学生訪日団第18陣(団長=王占起 中国日本友好協会・政治交流部部長)が来日した。本団は、経済・経営管理及び社会福祉を学ぶ大学生と引率の計130名で、外務省が実施する「JENESYS2.0」の一環として招聘した。

 訪日団は、東京をはじめ、兵庫県、京都府、大阪府を訪問し、同じ専門を学ぶ日本の大学生との交流や、専門分野に関する視察・参観のほか、「クールジャパン」をテーマとしたさまざまなプログラムに参加し、政治・歴史・文化・社会に関する包括的な対日理解を深めた。

 

経済・経営管理、社会福祉をテーマに活動

 訪日団は、東京で各専門分野に関するセミナーに参加した。経済・経営管理を学ぶ第1分団は、みずほ総合研究所の徳田秀信氏より、「日本経済の現状と課題」をテーマに、アベノミクスの成果と課題について説明を受けた。中国大学生にとって関心の高いテーマであり、中国も同様に抱える問題や今後直面するであろう課題について考える貴重な機会となった。社会福祉を学ぶ第2分団は、淑徳大学総合福祉学部社会福祉学科の結城康博教授より、「日本の社会保障の概略とその課題」をテーマに説明を受けた。団員からは、老後の資金融資に関する日本の現状、専業主婦の年金の受給、公務員の年金制度についてなど、さまざまな質問が挙がった。

 

日本の大学生と交流、同世代の友情を育む

 団員は第1分団と第2分団に分かれて大学を訪問し、模擬講義や同じ専門を学ぶ学生と交流した。

 第1分団は一橋大学(東京)と神戸大学(兵庫)を訪問した。一橋大学では140年の歴史を誇る学術の雰囲気溢れる国立キャンパスで、経済学研究科による日本の金融政策に関する模擬講義を受けたほか、同世代の日本の大学生とグループに分かれ、和気藹々の雰囲気で、それぞれ興味・関心のある事項について話し、親睦を深めた。神戸大学では、経済学・経営学それぞれの模擬講義において日本の経済や日中の企業文化の比較について理解を深めたほか、同じ専門分野を学ぶ大学生・大学院生たちと、「将来に向けた大学での学び」をテーマに活発に意見交換をした。

 団員たちは、いずれの大学においても、専門性の高いカリキュラムや充実したゼミでの学び、将来の経済・産業界での活躍を視野に置いて目標高く学んでいる日本の学生に大いに刺激を受けた様子だった。また中国をはじめとする海外留学生の学びやすい環境が整っており、日本での留学を具体的に考えるきっかけとなった団員もいた。

 第2分団は上智大学(東京)と関西福祉科学大学(大阪)を訪問した。上智大学では、大学概要の紹介やキャンパスツアーに参加して日本の大学の雰囲気を味わった後、社会福祉学科において「日本の障害者福祉」について講義を受けた。講義には日本の大学生も参加し、中国の障害者の状況について質問があった。その後の昼食交流会には、車椅子の学生も参加して親睦を深めた。関西福祉科学大学では、社会福祉学科において「日本の介護保険制度」の概要の紹介や、日本の社会保障制度の持続可能性や公平性、責任主体などについて説明を受けた。続いて行われた交流会には30名以上の学生が参加し、英語や日本語、中国語を交えて話が弾んだ。

専門分野に関する施設を視察

 訪日団は各地でそれぞれの専門分野に関する施設を視察した。第1分団は、東京証券取引所と日本銀行を訪問、日本の経済・金融をつかさどる現場の雰囲気に触れ、それぞれが担う役割について理解を深めた。京都の松下資料館では、パナソニックの創設者である松下幸之助の足跡をたどり、企業経営の在り方、経営哲学について学んだ。また予防医学に基づいた機能性飲料の研究開発に取り組むヤクルト本社兵庫三木工場や、靴の一大生産地・神戸を代表するくつのまちながた神戸株式会社を視察した。第2分団は、親を亡くした子ども達の進学支援のための学生寮であるあしなが育英会あしなが心塾レインボーハウスや、軽費老人ホーム(ケアハウス)豊寿荘、日本最大級の福祉、介護の常設展示場であるATCエイジレスセンター、障がい者の雇用機会拡大に尽力しているオムロン京都太陽株式会社を訪問し、日本の各方面の社会福祉の現場を視察した。

 

 そのほか一行は、東京で皇居・二重橋を参観し、神戸では北野異人館街、人と防災未来センターを視察したほか、京都と大阪で嵐山、金閣寺、清水寺、大阪城を参観し、さまざまなプログラムを通して「クールジャパン」を体感し、包括的な日本理解に努めた。

 

 中国大学生からは、「アベノミクスの成果と今後の課題、特に中国でも深刻になりつつある高齢化社会に対する問題点は非常に参考になり、深く考えさせられた」(経済・経営管理分団)、「日本の介護保険制度は素晴らしいが、少子高齢化による資金調達困難の課題もある。中国の現状も似通っており、共に学び研究することで問題を解決していきたい」「日本は『人への思いやり』と経済が調和しながら発展した国であり、中国にとって学ぶべき点が多い」(社会福祉分団)、「日本に対する誤った理解がすべて消え去った。今回出会った日中の学生同士の交流をさらに深め、友好の懸け橋になりたい」「お互い交流してはじめて相手を知ることができる。素直な心で物事を見て、考え、解決していくことが重要」など、思い思いの感想が聞かれた。

 

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