「JENESYS2.0」中国大学生訪日団第20陣

  2015年6月2日から6月9日までの日程で、中国大学生訪日団第20陣(団長=朱丹 中国日本友好協会・副秘書長)が来日した。本団は、中国の四川省・雲南省・貴州省で教育を専攻する学生で構成された計99名で、外務省が実施する「JENESYS2.0」の一環として招聘した。

 訪日団は、東京、宮城、岩手を訪問し、日本の大学生との交流、教育をテーマとしたセミナー、教育委員会によるブリーフ、教育現場の視察など教育に関連した活動のほか、世界遺産や「クールジャパン」を体感できる施設を視察し、さまざまなプログラムを通じて包括的な対日理解を深めた。

 

教育を学ぶ日本の大学生と交流、友好を深める

 東京では東京学芸大学、宮城では宮城教育大学を訪問し、教育を学ぶ日本の大学生と交流し、友情を深めた。東京学芸大学では「日本の教育と教師」というテーマで、岩田康之東京学芸大学教員養成カリキュラム開発研究センター教授よりセミナーを受けた。学校制度や教師の養成、学習指導要領など網羅的な内容のほか、教育格差拡大の危険性や詰め込み教育とゆとり教育の弊害、学級崩壊など日本の教育界が直面する課題についても紹介され、来日したばかりの団員が日本の教育について広く理解する充実した内容だった。その後、日本の学生と一緒に、昼食交流会とキャンパスツアーを行った。宮城教育大学では、「国際・異文化理解」をテーマとした授業に参加した。日本と中国の文化の共通点や相違点について、日本の大学生と一緒に考え、直接話し合うことで、相互理解を深める良いきっかけとなった。どちらの大学でも温かい歓迎を受け、同じ教育を学ぶ大学生同士話題が尽きず、団員たちは楽しいひと時を過ごした。

 

宮城県の「志教育」を学び、子どもの学びを主とした教育現場を視察

 宮城県教育委員会からは、子どもたちが社会の中で自己が果たすべき役割を考え、将来社会人としての生き方を自ら模索していく「みやぎの志教育」と「県の学力向上策」についてブリーフを受けた。自らの「夢」を、社会に貢献するための「志」を育てていくという教育内容は、使命感の強い団員の心に響いたようで、質疑ではたくさんの質問が挙がり、団員自らの「志」について考える貴重な機会となった。

 宮城教育大学附属小学校では、「子どもが主体的に学ぶ授業」をテーマとした公開授業を見学した。国語、算数、図工、家庭科のほか、野菜を育てる生活、電子黒板やタブレットを取り入れた英語など、実践に根差した授業を見学し、最後には6年生の素晴らしい合唱発表を聞き、皆深く感動した様子だった。子どもの総合的な能力の育成を重視する授業に、驚きと興味を覚えたようで、団員それぞれが教育や教師の在り方を考える、収穫の多い訪問となった。

 

 団員からは、各訪問先での交流を通じ、「同じ目標を持つ日本の大学生に親近感を感じ、お互いの良い点を今後も学びあいたいと思った」、「自らが社会にどう貢献すべきか考える教育に日本国民の高い教養を感じた」、「授業が一方的ではなく相互に行うことで、子どもに学ぶ楽しみを与えている点が参考になった」、「いきいきと授業に参加する小学生を見て、彼らの自分で考える能力の高さは学ぶべきだと思った」などの感想が聞かれた。今回の交流を通じて日本に対する印象が変わったという声も多く聞かれた。

 

 そのほか一行は、東京では国会議事堂、皇居二重橋、浅草寺、東京タワー、国立科学博物館での参観を通じクールジャパンを実感したほか、森ヶ崎水再生センターで環境保護の大切さについて学んだ。宮城では青葉城址、大崎八幡宮、石ノ森萬画館のほか、仙台市博物館では魯迅記念碑を参観した。また、日本三景の松島、世界遺産平泉を参観し、こけしの絵付けや藍染めを体験し、地域特有の文化・歴史に触れた。8日間の充実した日程で、日本の文化や社会について見聞を広め、日本に対する理解や関心を高めるきっかけとなったようだった。

 

日程表 参加者の感想

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