「JENESYS2.0」2015年度中国農村青年幹部代表団

 2015年8月4日から8月11日までの8日間、中国農村青年幹部代表団(団長=郭寧 中国日本友好協会 都市・経済交流部 部長)計91名が来日した。本団は、北京市・山東省・河南省の農村青年幹部で構成され、外務省が推進する「JENESYS2.0」の一環として招聘した。

 代表団は、東京・北海道にて、農業関係者や行政関係者との交流や農業分野の視察・参観を行い、日本の農業について理解を深めたほか、日本の経済・科学技術・社会・歴史・文化など、包括的な対日理解を深めるためのさまざまなプログラムに参加した。

 

東京・北海道で日本の農業について多面的に学ぶ

 訪日団は東京で、農林水産省より日本の農業の概要や政策について説明を受けた。強い農林水産業と美しく活力ある農山漁村の実現を目指した今後の“攻め”の農政の展開について学び、質疑応答も活発に行われた。東京農業大学総合研究所では、エコテクゾーンと「食と農」の博物館において、農業を軸に、自然エネルギーを利用した循環型社会のモデル構築のための実証研究の現場に触れるとともに、食と農に関する研究実績について視察した。日程後半では、東京都中央卸売市場大田市場と東京都下水道局森ヶ崎水再生センターを視察、生鮮食品が日本全国の生産現場から卸売市場を通して消費者に届くまでの一連の流れ、及び農業とも密接に関わる水のリサイクルについて理解を深めた。

 北海道では、豊かな自然環境と広い耕地面積を生かした大規模農業が盛んな千歳市を訪問した。酪農産物の生産のほか観光牧場を経営する北海道箱根牧場では、北海道開墾の経緯、同牧場における無農薬・有機栽培の取り組み、安心・安全を確保するための循環型農業の展開、地域振興・農業の発展のために観光牧場の担う役割等について説明を受けた。

 その後は千歳市内の3カ所に分かれ、酪農業現場を視察した。1号車は引き続き北海道箱根牧場にて、トウモロコシ畑や動物とのふれあいランド、牛舎等を見学した後、牧場で採れた牛乳を使用した生キャラメル作りを体験した。2号車は主に菌床栽培による椎茸の生産を行っているファームTORAOを訪問、椎茸の菌床栽培を行っているハウスや収穫後の菌床を肥料として活用している野菜畑を視察した。団員は自ら収穫したズッキーニやトマトを試食し、そのまま食べられる品質の安全性の高さや新鮮さを体感した。3号車は、野菜の生産のほか、観光農園として地元市民や観光客にも人気の小川農場を訪問した。農場で働いている中国人研修生とともにブロッコリーの出荷作業を手伝ったほか、直売所併設の農場や農作業機器を視察した。収穫したばかりのトウモロコシに舌鼓を打ち、観光向けに運営している巨大ひまわり迷路を童心に帰って楽しんだ。

 団員たちはいずれの視察先においても、消費者へ安心・安全を届けるための長年にわたる努力、資源の再利用や環境に配慮した取り組み、オンリーワンの商品作り、独自の生産・販売システムへのこだわりなど、それぞれの特色ある酪農業経営に感銘を受け、熱心に見聞きし、参考としていた。

 そのほか一行は、北海道では農産物直売所・道の駅 花ロードえにわ、アサヒビール北海道工場、サッポロビール博物館を視察し、日本の農業について生産・加工・流通まで幅広く理解を深めたほか、支笏湖、小樽運河、札幌市時計台、大通公園、東京では浅草寺を参観、日本の社会・文化・歴史など、さまざまな面について学び、包括的な日本理解に努めた。

 団員からは、「日本は農業における長期的な環境保護や、資源のリサイクルを重視し、技術研究に取り組んでいることがよく理解できた」「限りある耕地で農業水準を向上させ、農業と観光業の融合によって利益を生み出し、地域振興に貢献している部分がとても参考になった」「農業現場の視察で、家族経営ならではのアットホームな雰囲気と働いている人々の人柄の温かさに触れ、日本の農家の一つの姿として深く印象に残った」など、思い思いの感想が聞かれた。8日間の訪日活動を通し、それぞれが今回の訪日で得た成果を今後の職務や生活に生かしていこうと強く意識する貴重な機会となった。

日程表 参加者の感想 関連報道

ページトップへ