「JENESYS2.0」中国大学生訪日団第24陣

 2015年11月25日から12月2日までの8日間、中国大学生訪日団第24陣(団長=朱丹 中国日本友好協会 副秘書長)計100名が来日した。本団は、中国の安徽省・江西省で社会福祉を学ぶ大学生・大学院生、及び北京市でボランティア活動に従事している大学生・大学院生で構成され、外務省が推進する「JENESYS2.0」の一環として招聘した。

 訪日団は、東京・千葉・埼玉・福岡にて、同じ専門を学ぶ日本の大学生との交流や、専門分野に関する視察・参観のほか、「クールジャパン」をテーマとしたさまざまなプログラムに参加し、政治・歴史・文化・社会に関する包括的な対日理解を深めた。

 

東京・千葉・埼玉・福岡で日本の福祉やボランティアについて学ぶ

 訪日団はまず、金子充立正大学准教授による、日本の社会保障制度を中心としたセミナーを受講した。「社会保険」「社会扶助」「社会福祉」という3つの柱を中心に、社会情勢や国民のニーズに応じて変遷した日本の社会保障制度の歩みや現行の制度、今後の課題のほか、講師が日本の大学生と地域社会の問題解決のために取り組んでいるボランティア活動などについて学び、質疑応答も活発に行われた。

 首都圏では、社会福祉分団とボランティア分団に分かれ、専門分野に応じた交流・視察を行った。社会福祉分団は、特別養護老人ホーム淑徳共生苑を訪問。はじめに、淑徳大学の結城康博教授による日本の高齢者施策の現状に関する講義を受けた後、デイサービスやショートステイエリアで活き活きと過ごす利用者の様子や、特殊浴槽ほか施設内の各設備を見学した。また、淑徳大学総合福祉学部を訪問し、同じ社会福祉を学ぶ日本の大学生と、専門分野の学びや将来の進路などについて熱く語り合い、良い刺激となった。

 ボランティア分団は、第3セクター方式の重度障害者雇用モデル企業である東京都プリプレス・トッパン株式会社を訪問、障害者が働きやすいよう配慮された職場を見学し、企業の社会貢献について、新たな視点を得ることができた。また同分団は北京体育大学の学生で構成されていることから、スポーツボランティアをテーマに東洋大学ライフデザイン学部健康スポーツ学科の学生と交流した。日中双方の学生によるボランティア活動の紹介や昼食交流会、健康スポーツ学科の授業体験などを行い、学生同士の友好を深めた。

 

 福岡県では、北九州市が主催する「ふれあいフェスタ2015/第8回北九州市障害者芸術祭」を視察した。障害者によるステージパフォーマンスを観覧したり、同市内で活動する各NPO・ボランティア団体の紹介ブースで関係者と交流を図った。そのほか、北九州市ブリーフにおいて、同市の高齢者・児童福祉対策、青少年ボランティア活動の推進について説明を受け、行政ならではの取り組みを学んだ。さらに、公立の社会福祉系総合大学である福岡県立大学を訪問し、人間社会学部の授業や、大学が地域社会とともに取り組んでいる不登校・ひきこもりサポートセンターなどを見学した。また、学生が積極的に参加しているボランティア活動の紹介を聞いた後、日本の大学生たちとけん玉や折り紙などの昔遊びなども一緒に楽しみながら、自由に交流した。

 そのほか、東京では浅草・TEPIA先端技術館、福岡では小倉城・門司港・関門海峡ミュージアム・太宰府天満宮を参観した。

 「日本の少子高齢化が非常に深刻な問題であることに驚いた。日本の社会保障制度は充実しているが、社会情勢の変化に伴い、多くの課題にも直面している。日本の取り組み、経験を学び、視野が広がった。今回学んだことを友人たちにも共有したい」「日本の学生は情熱と責任感を持ってボランティア活動に取り組んでいる。また社会福祉分野における地域の諸問題解決のため、行政や民間企業だけでなく、一般市民や高齢者にいたるまで社会貢献事業、ボランティア活動に取り組んでいる意義は大きい。大いに啓発された」「障害者芸術祭での視覚障害者のピアノ演奏、ダウン症や知的障害者のダンスパフォーマンスがとても印象的だった。障害者にとって一番の福祉事業であり、良い励みになると感じた」「バリアフリー設備などいたるところで人に優しい配慮が感じられた。日本人の温かい心遣いと思いやりの精神を見ることができた」など、中国大学生からは思い思いの感想が聞かれた。

 今回の経験は、学生たちの個々の学びや今後の将来の目標に、何らかの形で確実に繋がっていくに違いない。

 

日程表 参加者の感想

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