「JENESYS2.0」中国食品衛生関係者代表団

 2016年3月23日から3月30日までの8日間、中国食品衛生関係者代表団(団長=于文軍 中国国家質量監督検験検疫総局 輸出入食品安全局 副巡視員)が来日した。本団は、中国国家質量監督検験検疫総局および各省の出入境検験検疫局の青年で構成された計30名で、外務省が実施する「JENESYS2.0」の一環として招聘した。

 代表団は、東京、神奈川、栃木を訪問し、厚生労働省や食品加工企業などの視察・交流を行い、日本の食品衛生分野に関する取り組みについて理解を深めたほか、世界遺産や防災施設の参観など、さまざまなプログラムを通じて包括的な対日理解を深めた。

 

日本の食品安全行政のしくみや輸入の現状を学ぶ

 一行は、厚生労働省より「食品安全行政の概要」のブリーフを受け、日本の食品安全および食品衛生についての法律、地方自治体や関連省庁・組織と連携した行政の展開をベースに、日本の食品輸入の現状や検査・検疫の手順を学んだ。また農林水産省からも「日本における最近の家畜衛生をめぐる情勢について」の説明を受けた。団員からは検査計画や輸出入時に違反があった場合の対応、具体的な検査内容等の質問が挙がり、両省の役割分担の違いを明らかにしながら、日本の検査・検疫の全体像についてさらに理解を深めた。

 

製造現場の衛生・品質管理を体感

 専門分野の視察・交流では日本の代表的な食品・飲料メーカーの生産拠点を訪問した。日本水産株式会社の八王子総合工場では、製造工程や品質管理体制の説明を受けた後、魚肉ソーセージとカニフレークの製造工場を見学。異物混入検査や殺菌工程など、現場での衛生・安全管理のポイントで多くの質問が挙がった。同社東京イノベーションセンターでは食品分析、商品開発、技術開発の3つの研究施設を見学。製品だけでなく自社の工場機器・設備を創出する技術開発まで担っている点は強く団員の興味を引いた。昼食は日本水産製品を使ったバラエティに富んだ料理を試食し、実際に目で見て舌で味わうことで日本の食品の品質の高さを体感した。

 アサヒビール神奈川工場は、ガラス越しに工場設備を見学したほか、麦やホップなどの原料にじかに触れたり、最新鋭の映像システムで製造ラインを間近で見ているような臨場感を味わいながら、ビールの生産工程をたどった。ビール製造に関しては一般的なことにとどまらず専門性の高い質問も出て、日本のビールに対する関心の高さがうかがえた。

 栃木県ではハウス食品株式会社関東工場を訪問。品質管理部門の説明では、通常時の安全・衛生への取り組み事例が具体的に紹介されたほか、福島原発事故後の放射線検査の体制・現状についても説明があった。工場見学では、カレールウが製品トレイに密封され、賞味期限が印字される包装工程と、製品出荷までの管理がすべて自動化されたラック倉庫を間近で見ることができた。

 生産拠点の訪問に加え、流通の要である東京都中央卸売市場大田市場も視察。全国から集められる食材の流通プロセス、臨場感ある“せり”の様子や取引のしくみ、場内での衛生検査などついて学んだ後、日本最大規模の青果棟を中心に場内を見学した。

 どの訪問先でも温かく迎えられ、それぞれの特色から現場における食品衛生の方針や実務について率直な意見交換がなされ、収穫の多い交流となった。


 このほか一行は、東京で国会議事堂、日本科学未来館、東京臨海広域防災公園等、栃木で日光東照宮や華厳の滝の参観、神奈川でいちご狩り体験を通じ、さまざまな角度から日本の魅力を満喫した。

 ほとんどが初来日だった団員からは、「日本の衛生分野に関する考え方や、品質・衛生管理システムは非常に参考になった」「工場内の自動化の技術や環境保護対策を中国でも取り入れたい」「日本人の友好的な対応や心温まるおもてなしに感激した」「今回の体験で感じたことを皆に伝えたい」などの感想が聞かれた。

 

日程表 参加者の感想

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