「JENESYS2.0」中国大学生訪日団第27陣

 9月19日から9月26日までの8日間、中国大学生訪日団第27陣(団長=朱丹 中国日本友好協会・副秘書長)が来日した。本団は、中国で社会福祉と農業を学ぶ学生で構成された計96名で、外務省が実施する「JENESYS2.0」の一環として招聘した。

 訪日団は、東京、茨城、千葉、宮城を訪問し、同じ分野を学ぶ日本の大学生らと交流し、専門分野に関する視察・参観を体験したほか、「クールジャパン」をテーマとしたさまざまなプログラムに参加し、文化・歴史・経済・社会に関する包括的な対日理解を深めた。

 

社会福祉、農業をテーマに活動

 訪日団は、まず東京で専門分野に関するセミナーに参加し、日本における各々の専門分野のあらましについて学んだ。社会福祉を学ぶ第1分団は、浦和大学総合福祉学部の長沼明客員教授(前・埼玉県志木市長)より、日本の社会保障制度について講義を受け、社会保険と公的扶助を柱に、制度の特徴を概観した。農業を学ぶ第2分団は、農林水産省経営局農地政策課の続橋亮経営専門官より、日本の農地制度について講義を受け、農地集約をはじめとする取り組みに対し、さまざまな観点から質問を挙げ、理解を深めた。

 第1分団は、明治学院大学と東北福祉大学を訪問。明治学院大学では、社会学部社会福祉学科の紹介、松原康雄学長による児童福祉の模擬授業を受講した後、学生主体で専門分野を発表し合うプレゼン交流会、昼食交流会を実施し、親睦を深めた。東北福祉大学では、2つの模擬授業を通じ、高齢者福祉を制度と実践の両面から学んだ後、日中の学生がグループで行動しながら坐禅体験やキャンパス各所で交流を図った。さらに高齢者福祉を中心とした大学の関連施設も視察。4つの拠点に分かれ、入居者とのふれあいや現場スタッフのサービスへの姿勢を通じ、大学の研究と連携した実践の場である各々の施設の特色や課題について理解を深めた。

 第2分団は、植物工場 千葉大学拠点と東北大学を訪問。植物工場では、植物工場研究会の理事長を務める千葉大学の古在豊樹名誉教授による人工光型植物工場についての講義を受けた後、施設を見学。雨天にもかかわらず、熱心に参加し、専門的な内容に踏み込んだ質疑応答が多く交わされた。東北大学は大学院農学研究科を訪ね、植物栄養生理学の模擬授業を受講した他、渡り鳥との共生による有機農法「ふゆみずたんぼ」を見学。学生同士の交流としては、学術面では日中大学院生の研究テーマ発表を、昼食交流会では限られた時間ながら積極的に懇談を楽しんだ。

 また両分団とも、株式会社エフピコやワタミ株式会社等の企業視察を通じても専門分野の先進的な取り組みを学ぶことができた。

 

 そのほか一行は、東京では浅草寺、皇居・二重橋、浜離宮、東京タワー、秋葉原等、新旧の名所を訪れ、宮城では魯迅の記念碑、青葉城址、瑞鳳殿、五大堂、瑞巌寺を参観して日本の歴史的な名所や建造物に親しみ、松島の絶景も堪能することができた。また、被災地域の視察を通じて、東日本大震災からの教訓や復興状況についても理解を深めた。

 中国大学生からは、「同じ社会福祉を学ぶ日本の大学生とNPO活動や年金のことを話し合い、両国間には大きな協力の可能性があると感じた。施設見学では、介護スタッフが高齢者に敬意を払いつつ接している姿に感動した」「環境保護と省エネルギーへの意識の高さが最も印象に残った。資源の少ない島国にもかかわらず世界トップレベルの科学技術を誇るのは、日本人がこれらにおいて高い意識を持っているからだと思う」「一期一会の出会いだったが、啓発されたものが多くあった」「中国と日本には、考え方や食生活などの違いもあるが、重要な部分では一致している。日中の若者が力を合わせて問題を解決し、幸せな人生を求めていきたい」など、思い思いの感想が聞かれた。

 

日程表 参加者の感想

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