2016日本青年メディア関係者訪中団

 2016日本青年メディア関係者訪中団(一行計37名)が、2016年12月4日から12月11日の日程で訪中した。同団は、武田勝年当財団顧問を団長とし、中原邦之副団長(外務省アジア大洋州局中国・モンゴル第一課地域調整官)のほか、全国から集まった新聞、放送、雑誌等の青年メディア関係者で構成された。

 日本の青年メディア関係者の派遣は、2010年5月の温家宝総理(当時)来日時の日中首脳会談で、温総理より招聘が表明されたことに基づき2011年12月に実施し、今回は5年ぶり2回目となった。当財団が外務省の委託を受け実施、中国側は国務院新聞弁公室が受け入れ、中国外文出版発行事業局、中国報道雑誌社が実施運営を担当した。

 訪中団はテーマ「イノベーション発展」、「グリーン発展」に基づき、2コースに分かれ、北京のほかそれぞれ広東省、貴州省を訪問し、中国メディア関係者や日本研究者と率直に意見交換を行ったほか、中国を代表する企業や起業に関する支援の現場、環境に配慮し発展を続ける地域等、テーマに関する視察・交流の場を通じて、中国のメディア事情をはじめ、経済発展状況や人々の暮らしについて理解を深めるとともに関係者との友好を深めた。

 北京では、全団で中国外交部アジア司を訪問した。楊宇参事官より、両国の関係改善におけるメディアの重要性と、日中関係や中国について客観的な報道が大切であること、今回の訪中を通じ自分の目で中国を見てほしいと、団員への期待を込めたメッセージが送られた。また、中国社会科学院日本研究所では、楊伯江副所長ほか3名の日本研究者らの発表を聞き意見交換を行った。中国経済及び少子高齢化問題や女性の社会進出をはじめとする社会の在り方、トランプ氏の米国大統領選の当選を受けての今後の日中関係等、メディア関係者ならではの質問が相次いだ。

 

 「イノベーション発展」分団は北京では、人民日報社を訪問。社内参観後の環球時報記者との座談会ではインターネットメディアの現状等、双方から多くの質問が挙がり、活発な意見交換が繰り広げられた。また、中国のシリコンバレーと呼ばれる中関村産業園では中関村創業大街と中関村智造大街を視察し、起業する会社に向けた政府のさまざまな支援策について理解を深めた。広東省広州市では、広州励豊文化科技有限公司や広電運通集団の訪問、南方報業メディア集団傘下の「289芸術パーク」、南方国際版権取引所の視察を行った。深圳市では、市のイノベーション発展の概要説明を受けたほか、中国を代表する大企業である華為技術有限公司(ファーウェイテクノロジーズ)と大疆創新科技有限公司(DJI)を訪問した。いずれも急速に世界へ進出し成長を遂げている企業であり、中国の経済発展ぶりを印象づける訪問となった。

 「グリーン発展」分団は、北京では中国国際放送局を訪問。日中を繋ぐ懸け橋としてのラジオ局の役割のほか、映像制作、ネット配信等近年のニューメディアコンテンツを扱う総合メディア業務が紹介された。そのほか、省エネ・環境保護を主な業務とする中国節能環保集団公司を訪問し、中国全土で実施している環境に配慮したプロジェクトの紹介を受けた。団員からは、環境問題における日中協力の可能性や、環境保護、省エネ、リサイクルに対する国民の価値観や意識の変革等質問が挙がり、率直な意見交換がなされた。貴州省貴陽市では、土地や気候、コストの優位性を活用した国家プロジェクトである貴安新区を視察し、数々の企業が設置するビッグデータセンター等、環境に配慮したグリーン経済発展の現状について理解を深めた。貴州日報報業集団の訪問では、編集室やニューメディアセンター見学のほか、記者と意見交換を行った。到着後まもなく貴州日報電子版に代表団訪問の記事が掲載される等、ニューメディアのスピード感を目のあたりにした。

 

 このほか、北京では故宮博物院及び前門大柵欄文化街区、広東省では陳家祠、珠江、蓮花山鄧小平像、貴州省では多彩貴州創意園、孔学堂、貴州に暮らす少数民族の無形文化遺産博物館や西江千戸苗寨等を参観し、中国の悠久の歴史と多彩な民族文化を体感することができた。

 団員からは、「中国は先進国と比べものにならないスピードとスケールで、ダイナミックに成長を遂げており、これからの可能性を大いに感じた」「経済発展と環境保護の両立に向けた取り組みが印象に残った」「今回の訪中で、違いを理解することが、互いを尊重し合い、信頼できるパートナーになることの第一歩だと感じた」「両国関係でメディアの果たす役割が非常に大きいと改めて感じた」といった感想が聞かれ、訪中を通して大きな成果を得られたことがうかがえた。

 

日程表 参加者の感想 関連報道

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