「日中植林・植樹国際連帯事業」若き津波防災大使

 2016年11月22日から11月29日までの8日間、世界29カ国の高校生と引率で構成される「若き津波防災大使」一行284名が来日した。中国からは福建省と海南省の66名が参加した。

 訪日団は、高知県黒潮町で開催された「世界津波の日」高校生サミット in 黒潮への参加や、宮城県、和歌山県での活動を通じて、日本の津波の歴史や震災復興、南海トラフ地震への備えなど防災・減災の取り組みについて学んだほか、各地でのさまざまなプログラムや地域の人々との交流を通じて、日本の豊かな自然、文化、歴史に触れ、日本と日本人の魅力についても理解を深めた。

 

宮城、和歌山でスタディツアー

 滞在期間中、一行は2班に分かれ、第1班は宮城県を、第2班は和歌山県を訪問し、スタディツアーに参加した。宮城県では、東日本大震災の被災地を視察し、改めて津波の脅威を認識するとともに、ふるさとの復興と地域の防災・減災のために尽力し、活動する地元の高校生たちと交流した。和歌山県では、「世界津波の日」の発祥の地でもある「稲むらの火の館」の参観をはじめ、地元の高校生たちとともに、防災訓練や交流会に参加し、先人から語り継がれる津波被害から尊い命を救う精神について学んだ。

 

「世界津波の日」高校生サミット in 黒潮に参加

 11月25日~26日の二日間にわたり開催された「世界津波の日」高校生サミット in 黒潮には、日本の高校生約110名も加わり、世界30カ国の高校生約350名が参加する国際会議となった。このサミットは、2015年12月に国連で制定された「世界津波の日」(11月5日)の啓発イベントの一環としてはじめて開催されたもので、安倍晋三総理からメッセージが寄せられ、二階俊博自由民主党幹事長や松本純国土強靭化担当大臣・内閣府特命担当大臣(防災)、尾﨑正直高知県知事らも出席した。分科会では、自国の取り組みや今後の課題等について発表し、各国高校生とともに「自然災害にどうやって立ち向かうのか」という世界共通の課題について真剣に議論したほか、フィールドワークとして、避難訓練の体験や、津波避難タワー、安政津波の碑などを見学した。また、東日本大震災被災地の高校生や元OECD東北スクールメンバーによる発表を聞く機会にも恵まれた。日本と海外の高校生が共同で防災林の記念植樹も行い、総会ではサミットの成果として「黒潮宣言」を採択した。フェアウェルパーティには、国会議員や各国大使のほか多くの関係者が出席し、サミットの成功を祝った。

 

 そのほか一行は、東京では浅草寺、日本科学未来館、東京タワー等の新旧名所を訪れ、宮城では松島の絶景を堪能、和歌山、高知ではそれぞれ和歌山城や高知城等を参観した。

 日本だけではなく、今回来日した29カ国もこれまで、津波をはじめさまざまな自然災害の脅威にさらされた歴史を持ち、参加した高校生の中には、家族や親しい友人を失った者もいた。滞在中一貫し、悲しい歴史が繰り返されないよう、いかに自然災害から自国と尊い命を守るのか、次世代を担う自分たちに何ができるのかと、真摯に向き合い、考える高校生たちの姿が非常に印象に残った。本プログラムを通じて、参加高校生たちが将来、各国で防災・減災分野におけるリーダーとして活躍し、国境を越えて手を取り合い協力していくことを心より期待する。

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