「日中植林・植樹国際連帯事業」中国環境保護部代表団

 2016年10月30日から11月6日までの日程で、中国環境保護部代表団(団長=李永紅 中国環境保護部 国際合作司アジア処 処長)が来日した。本団は、中国環境保護部および関係機関に所属する青年で構成された計29名で、今年から外務省が実施する「日中植林・植樹国際連帯事業」の一環として招聘した。

 代表団は、東京、愛知、三重、静岡を訪問し、環境行政関係者や関連企業、施設の訪問・視察・交流や、防災施設の視察を行ったほか、静岡県で植樹活動に参加した。また、各地で文化や自然、科学技術などを体感できる施設を視察し、包括的な対日理解を深めた。

 

日本の環境保全や原子力安全、公害問題の克服について学ぶ

 代表団は東京で、環境省の鎌形地球環境局長を表敬訪問し、その後2グループに分かれて環境省から「経済発展方式のグリーン経済」、原子力規制庁から「原子力規制委員会について」をテーマにそれぞれブリーフ、職員との意見交換を行った。また、(一財)日本環境衛生センターでは、福島原発事故当時、環境事務次官であった南川理事長から、福島事故対応の経験について話を聞いた。団員からは環境問題の情報公開義務、原子力技術を応用する民間企業の検査について、再生可能エネルギーの相乗効果などの質問が挙がった。

 三重県では四日市公害と環境未来館を訪問し、甚大な大気汚染が起こり、公害問題が深刻となった経緯や、経済優先で環境は後回しとされた当時の時代背景、公害克服までの過程について説明を受けた。館内を視察した後、四日市市の環境部門の職員と意見交換を行い、中国の現状と比較し、今後中国ではどのような対策をすべきか考えるきっかけとなった。また、四日市市の住宅街にある、JSR(株)訪問では、工場の環境・安全への取り組みに関する説明のほか、周辺住民とのコミュニケーションについて紹介があった。工場と住宅街の間に20メートルの防音壁が設置されており、その奥に緩衝地帯として設けられた人工里山には多くの蝶々が飛来しており、団員は工場すぐ横の里山環境が印象深い様子だった。

 

民間の環境保全の取り組み、防災・減災を体感

 愛知県では名古屋市にある藤前干潟・稲永ビジターセンターを訪問。干潟の歴史と保全の取組についての話を聞き、干潟の埋立計画発表から市民が反対運動に参加した「藤前干潟を守る会」との交流を行った。また、静岡県ではNPO法人時ノ寿の森クラブの森林・里山保全活動についてレクチャーを受けた。団員は熱心に話を聞き、日本の一般市民の環境保全に対する意識の高さに感心していた。また、名古屋市港防災センターでは、地震、津波3D、煙避難を体験した。団員は地震発生時に取るべき行動、津波の恐ろしさ、家庭でできる対策など学び、日頃の備えや減災の大切さを実感した。

 

静岡県で植樹活動に参加

 代表団は静岡県にて、掛川市立横須賀小学校の児童と一緒に、植樹活動に参加した。苗木は児童たちが3年かけて育てたどんぐりの木等2,000本で、潮害の防備、飛砂・風害の防備等の災害防止の役割を果たす防災林として植樹し、住民が地域を災害から守る環境保全について理解を深めることができた。言葉は通じなかったが、英単語を並べてみたり、日本語や中国語を教え合ったりするなど、児童との交流も楽しんだ。

 

 そのほか一行は、東京で増上寺、皇居、国会議事堂、江戸東京博物館、愛知で名古屋城、トヨタ産業技術記念館、三重で四日市港ポートビルを参観し、さまざまな角度から日本の魅力を満喫した。7日間を通して、日本に対する理解や関心を高めるきっかけとなった。

 

 ほとんどの団員は初来日だったが、プログラムを通じ、「行政、企業が実施している環境汚染対策や、大気汚染公害の経験についてのレクチャーは大変参考になった」「日本が取り組んでいる環境や防災教育に感銘を受けた。中国でも取り入れるべきだと思う」「今後、環境分野においてより一層の日中協力が必要だと感じた」「日本人は思っていた以上に友好的で、温かく迎えてくれて感動した」などの感想が聞かれた。

 

日程表 参加者の感想

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