「JENESYS2.0」第二十一回中国教育関係者代表団

 2016年11月15日から11月19日までの5日間、第二十一回中国教育関係者代表団一行65名(団長=王占起 中国日本友好協会・副秘書長)が来日した。中国教育関係者代表団は1996年から中国日本友好協会の派遣により継続して実施している。21回目となった本団は、北京市、寧夏回族自治区、江蘇省、遼寧省の小・中・高等学校の教員で構成され、東京、京都、大阪にて、各種教育機関などを訪問・視察し、日本の教育関係者と交流したほか、世界遺産である金閣寺や清水寺を参観し、和風温泉旅館で日本文化に触れるなど、包括的な対日理解を深めた。

 

知識と実践力、豊かな人間性を育む教育を学ぶ

 東京では文部科学省で「新学習指導要領、授業カリキュラムについて」をテーマに講義を受けた。「智・徳・体」のバランスが取れた人間の育成を目指し、「生きる力」をどう要領に取り入れているか、改訂のポイントや授業カリキュラム等について説明を受け、団員からも数多くの質問が出された。

 学校訪問は2グループに分かれ、都立高校2校を訪問した。都立荒川工業高等学校では電気科、電子科、情報技術科の実習室や実験の様子を見学し、知識と実践能力の両方が身に付く教育について理解を深め、都立田柄高等学校では、普通科と外国文化コースで生徒が主体的に取り組む「アクティブ・ラーニング型授業」や国際交流に力を入れた授業を見学した。両校で教員との懇談会を行い、実践性の高い授業のやり方や日中双方の教育現場の諸課題について自由に意見交換した。

 大阪では、中学校と小学校をそれぞれ訪問した。市立市岡中学校では懇談会や給食体験のほか、さまざまな授業風景を見学したが、団員は特に家庭科や技術など実技教科に興味を示し、熱心に子どもたちの教科書や作品制作の様子を視察していた。市立敷津小学校は1学年1学級の小規模な学校で、全校児童による合唱で大歓迎を受けた後、学校概要の説明を受け授業・施設を見学した。各クラスで担任教諭以外に特別支援コーディネーターや学習サポーターが複数名おり、手厚いサポート体制に団員は驚いていた。また、大阪府教育庁と懇談会を行い、大阪府の教育の現状と課題について説明を受けた。国籍や家庭の経済状況に関わらず、すべての子供たちに学びの場を提供する努力をしていること、そのために「社会総がかり」で取り組んでいるという実践例を引用した説明を、団員皆真剣に聴いていた。これら各種教育機関の訪問・視察、関係者との交流を通じて、日本の教育制度について理解を深めることができた。

 

歴史文化や自然、匠の技など、日本の魅力に触れる

 そのほか一行は、東京で皇居二重橋、京都では清水寺と金閣寺で色鮮やかな紅葉を満喫し、大阪で大阪城や酒造を参観し、日本の政治、文化、歴史、自然に親しみ、匠の技などさまざまな日本の魅力に触れることができた。団員からは、「日本では生徒の個性を尊重しており、さまざまな授業や課外活動で生徒の自主性を高め、生徒達に将来社会に貢献する意識や能力を身につけさせる教育をしているのを知った」との声が寄せられたほか、「日本と中国の教職員も同じように苦労を抱えているが、日本の教師は、品行方正で徳のある学生を育てるため、より心を尽くしていると感じた」「日本の『生きる力』を育む教育は、確実な技術を身に付けるだけでなく、自らを律し、他人と協調し思いやりを持つ心を養うと同時に、健康な身体と精神を鍛え、現代社会に必要な人材の育成に貢献していると感じた」など思い思いの感想が聞かれた。5日間と短い訪日活動ではあったが、それぞれが今回の訪日で得た成果を今後の職務や生活に生かしていこうと強く意識する貴重な機会となった。

日程表 参加者の感想

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