新時代を担う日中友好の架け橋に

「日中植林・植樹国際連帯事業」清華大学学生訪日団第1陣

 2018年7月22日から7月28日までの7日間、清華大学学生訪日団第1陣(団長:蘭 旻 共青団清華大学委員会 副書記)計150名が来日した。本団は清華大学に所属する大学生・大学院生・引率で構成され、外務省が実施する「日中植林・植樹国際連帯事業」の一環として招聘した。

訪日団は、東京・北海道・宮城にて、環境・防災に関するセミナーや関連施設の視察、植樹活動を行ったほか、日本の大学を訪問し、同世代の大学生同士の親睦を深めた。

 

日本の環境保護、防災・減災の取り組みを学ぶ

 訪日団は、(公財)都市緑化機構 研究部 主任研究員の手代木純氏より「日本における都市緑化の取組み―環境・防災への対応―」というテーマで講義を受けた。日本における都市緑化の取組み事例や、都市緑化による環境問題への効果、防災公園の整備について等、環境・防災両方の側面から紹介を受け、市民の立場でできる環境・防災対策について考える機会となった。

 北海道コース(60名)は、北海道の札幌市民防災センターで災害の模擬体験をしたほか、東京の砂町水再生センターを視察し、大都市における汚水処理のしくみについて学んだ。宮城コース(90名)は、東京では立川防災館、宮城では東日本大震災の爪痕の残る南蒲生浄化センター(水処理施設)を視察し、環境・防災についてだけでなく、震災復興の状況についても理解を深めた。

 

東京、北海道、宮城で大学訪問・交流

 東京では全団で中央大学を訪問し、両学の友好を願い記念植樹を行った。また、大学概要紹介や留学生による体験談、昼食会やキャンパスツアーを通じて、日本の大学生活を体感した。

 北海道コースは北海道大学を訪問し、清華大学の民族楽団による演奏、北海道大学のYOSAKOIソーランサークルによる演舞を通じた交流を行った。日中大学生はそれぞれのすばらしいパフォーマンスに大きな拍手を送り合い、言語の壁を越えた深い交流をすることができた。

 宮城コースは、訪日団90名のうち20名が東北大学と清華大学のジョイントワークショップに、70名が東北大学との学生交流に参加した。ジョイントワークショップでは両学研究者による材料科学とスピントロニクス等に関する発表を熱心に聞き、それぞれの専門について理解を深めた。学生交流では折り紙を通じた交流が行われた。自然をテーマとした作品を日中大学生が協力して仕上げ、団員は日本文化に触れながら、日本大学生との友情を育むことができた。

 

 そのほか、東京の国会議事堂、日本科学未来館、皇居・二重橋、東京タワー等の参観や、北海道での小樽貴賓館、北海道開拓の村、さっぽろ羊ケ丘展望台の参観、オルゴールの製作体験、宮城での松島語り部クルーズ、仙台市博物館、魯迅の碑、仙台城跡等の参観等を通して、日本への多面的な理解を深めた。

 

 団員からは、「今回の活動を通じ、環境保護の大切さや緑地の重要性を学んだ」「日本では、子どもの頃から、防災施設の視察や体験を通じ、防災知識を学んでいることを知り、驚いた。中国でも参考にしたい」「大学交流を通じて、日中大学生は学習方法こそ異なるが似通った理念を持ち、互いに補い合い共に進歩してゆけると感じた」「交流した学生と連絡先を交換したので、これからも連絡を取り続けたい」などさまざまな感想が聞かれた。

日程表 参加者の感想