新時代を担う日中友好の架け橋に

主催展「宮廷のコバルトブルー 景徳鎮明清官窯復刻展」を終えて

2018年6月20日から7月12日の会期で開催した主催展「宮廷のコバルトブルー 景徳鎮明清官窯復刻展」が盛会のうちに閉幕しました。20日間の会期中に2,658人(1日平均133人)と、多くの皆様にご来館いただき、心より御礼申し上げます。

本展は、宮廷のコバルトブルーとして時の皇帝達に愛された、青花(せいか)を中心におよそ100点の明、清時代の官窯復刻磁器を展示紹介しました。

現存する明清官窯磁器は、世界の権威あるオークションにて数十億円で取引されるなど大変貴重なコレクションとなっています。中国国外への持ち出しが難しく、また、世界の名立たる博物館、美術館などに収蔵されている作品も多いのですが、今回は“復刻品”というかたちで、当時の洗練された作品を一堂に揃えて紹介することが叶いました。古の技法や顔料などを研究し、一点ずつ手作業で忠実に再現した完成度の高い作品に、ご来場いただいた皆様からは「復刻とは思えない素晴らしい作品ばかり」「明清時代の作品を一堂に見ることの出来る貴重な機会であった」「優雅で繊細な絵付け、色彩に感動した」といったお声を多数いただきました。

 

テープカット 中国大使館文化部参事官・陳諍氏(左4)

テープカット 中国大使館文化部参事官・陳諍氏(左4)

 

(復刻)明・永楽 「青花輪花文双耳瓢形扁瓶

(復刻)明・永楽「青花輪花文双耳瓢形扁瓶

 

展覧会初日の開幕式は、景徳鎮市人民政府の李雪海副秘書長はじめ17名の中国代表団が来日し、中国大使館文化部の陳諍参事官ほか100名近いご来賓をお迎えして華やかなスタートとなりました。

会期中は、日中友好会館美術館の恒例イベントとなりましたミュージアムコンサートを2回開催しました。ウェイウェイ・ウーさんによる二胡とピアノの華麗な競演、そして、王敏さん・渡邉美姫さん親子による古箏の競演、各回とも素晴らしい音色が会場を包みました。

 

二胡ミュージアムコンサート

二胡ミュージアムコンサート

 

古箏ミュージアムコンサート

古箏ミュージアムコンサート

 

また、東京藝術大学特任教授の井上隆史氏を講師にお迎えし、特別講演会も開催しました。映像を交えての講演は大変好評で、終盤は予定時間を越えて活発な質疑応答が交わされました。

特別講演「イスラムが魅せられた景徳鎮の青い花」

特別講演「イスラムが魅せられた景徳鎮の青い花」

本年10月には、日中友好会館、景徳鎮市人民政府、石川県能美市の共催で、中国・景徳鎮にて「第二回日本工芸展in景徳鎮 九谷焼2018」を開催予定です。日中平和友好条約締結40周年の節目の年に、九谷焼と景徳鎮、日本と中国を代表する両磁器を介して日中相互交流の深化に努めます。

 

(文化事業部)