新時代を担う日中友好の架け橋に

若き津波防災大使(日中植林・植樹国際連帯事業)

 2018年10月27日から11月2日までの7日間、世界47カ国・地域の高校生と引率で構成される「若き津波防災大使」一行293名(高校生244名、引率49名)が来日した。中国は山東省から青島市即墨区萃英中学の12名が参加した。

 訪日団は、和歌山県で開催された「世界津波の日」2018高校生サミット in 和歌山への参加や、「稲むらの火祭り」、スタディツアーへの参加を通じて、日本の津波の歴史や地震・津波への備え等の防災・減災の取り組みについて学んだほか、和歌山県でのさまざまなプログラムや地域の人々との交流を通じて、日本の豊かな自然、文化、歴史に触れ、日本と日本人の魅力についても理解を深めた。

 

「稲むらの火祭り」、スタディツアーに参加

 滞在中、一行は、「世界津波の日」の起源となった濱口梧陵の功績をたたえ、防災の精神を後世に伝える「稲むらの火祭り」に参加したほか、2日間のスタディツアーに参加した。防災スクールでは、地元の高校生と共に走行中の特急列車から降りて高台へ避難する訓練や、近隣の園児との合同避難訓練に参加し、いざという時各々がどのような行動をとるべきかを学んだ。また、訪問した県立高校での文化交流やクラス交流を通じて互いの友情を育み、地元高校生の案内で名所旧跡等を参観して、和歌山の豊かな自然や文化、歴史にも触れることができた。

 

「世界津波の日」2018高校生サミット in 和歌山に参加

 10月31日~11月1日の二日間にわたり開催された「世界津波の日」2018高校生サミット in 和歌山には、日本の高校生134名も加わり、世界48カ国・地域の高校生378名が参加した。このサミットは、2015年12月に国連で制定された「世界津波の日」(11月5日)の啓発イベントの一環として開催されるもので今回が第3回目となる。主催者である和歌山県知事、広川町長、共催の国連国際防災戦略事務局、後援する内閣府、文部科学省、国土交通省の代表者らが挨拶をしたほか、安倍晋三総理からビデオメッセージも寄せられた。初日は、海外高校生がサミットに先立ち参加したスタディツアーを報告、日本と海外の高校生が共同でウバメガシの記念植樹を行い、夜には外務省主催のレセプションに参加してサミット参加の意気込み等を語り合った。二日にわたり行われた分科会では、自国の取り組みや今後の課題等について発表し、各国高校生が「自然災害にどうやって立ち向かうのか」という世界共通の課題について真剣に議論した。二日目は、東京大学大学院情報学環の片田敏孝特任教授による津波防災講演会に続いて総会・閉会式が行われ、分科会で話し合った成果を発表し、最後にサミットの成果として「稲むらの火継承宣言」を発表した。

 今回来日した47カ国・地域の参加高校生たちが本プログラムを通じて学んだそれぞれの地域での防災の知見と地震津波等災害の脅威を後世へ語り継ぎ、将来、各国で防災・減災分野におけるリーダーとして活躍し、国境を越えて手を取り合い協力していくことを心より期待する。

日程表 参加者の感想