新時代を担う日中友好の架け橋に

「JENESYS2018」香港・澳門高校生訪日団

 2018年12月9日から12月17日までの9日間、香港・澳門高校生訪日団(香港団団長=李伊瑩 九龍真光中学 校長、澳門団団長=郭敬文 澳門培正中学 副校長)が来日した。本団は、香港・澳門から選抜された高校生と引率の計74名(香港団49名、澳門団25名)で、外務省が実施する「JENESYS2018」の一環として招聘した。

 訪日団は、東京都をはじめ、茨城県・滋賀県・京都府・広島県を訪問し、社会、文化、歴史、科学技術等、さまざまな分野における日本の魅力・強みを体感したほか、高校訪問や一般家庭でのホームステイでの交流を通じて、友好交流と相互理解を深めた。

 

AI技術の講義や防災学習

 訪日団は、認知発達ロボティクス研究を行う玉川大学工学部情報通信工学科の岡田 浩之教授より、「赤ちゃんとロボット」というテーマで講義を受けた。講師はロボットと赤ちゃんの共通性や人工知能研究の歴史と応用例について説明し、人工知能にとって人間の何気ない動きが実は一番難しく、高校生のうちに人間とは何かを考えることが大切であると説いた。質疑応答では多くの質問があがり、香港・澳門高校生が日本のAI技術について理解するのに大いに役立った。

 また、香港団は池袋防災館、澳門団はしながわ防災体験館を視察、日本の防災を学び減災について考えるきっかけとなった。澳門団は広島県宮島で杓子作り体験を行い、日本の伝統文化について理解を深めた。両団とも和風温泉旅館にも宿泊し、日本の文化を体験した。

 

高校生交流やホームステイを体験

 学校交流は、前半は茨城県・東京都の高校3校、後半は京都府・広島県の高校3校を訪問し、各校で温かい歓迎を受けた。英語・体育・芸術・理科など、さまざまな授業に参加したほか、茶道・柔道・和太鼓・バトントワリング・剣道などの部活動を見学・体験した。交流会ではパフォーマンスを披露したり、一緒にゲームをするなど、多彩なプログラムに参加した。高校生たちは、英語やジェスチャーのほか、スマートフォンの翻訳アプリも活用してアニメやファッションなど同世代共通の話題で盛り上がり、各校で楽しいひと時を過ごした。

 また香港高校生は滋賀県日野町、澳門高校生は広島県北広島町を訪問し、1泊2日のホームステイを体験した。各家庭で料理の手伝いをしたり、野菜の収穫や薪割りなど香港や澳門ではできない体験をしたりして、それぞれ思い出に残る時間を過ごし、ホストファミリーと心を通わせることができた。

 そのほか一行は、東京都では日本科学未来館・皇居二重橋・江戸東京博物館、滋賀県では甲賀流忍術屋敷、京都府では金閣寺・伏見稲荷、広島県では厳島神社・平和記念資料館・平和記念公園・広島城を参観した。これらのプログラムを通して、包括的な日本理解に努めた。

 

 香港・澳門高校生からは、「学校交流で日本の高校生と国境を越えた友情を築くことができ、とても嬉しかった」「日本の高校生は真剣に部活動に取り組んでおり、精神面の成長に大いに役立つと思った」「ホームステイでは人の温かさや文化の違いにふれ、お別れのときは涙が止まらなかった」「日本人が誠実に真剣に仕事や生活に向き合う姿を見習うべきだと思った」「日本でのすべての経験が一生忘れられない思い出になった。帰国後は校内放送やSNSなどで今回の経験を家族や友達に共有したい」など思い思いの感想が聞かれた。

日程表 参加者の感想