新時代を担う日中友好の架け橋に

「日中植林・植樹国際連帯事業」中国トイレ革命交流団

 2019年3月24日から3月30日までの日程で、中国トイレ革命交流団(団長=李偉国 中国農業農村部 農村社会事業推進司 司長)が来日した。本団は、中国農業農村部及び国家衛生健康委員会傘下の団体の中国トイレ革命担当者で構成された計8名で、外務省が推進する「日中植林・植樹国際連帯事業」の一環として招聘した。

 交流団は、東京都、埼玉県、和歌山県を訪問し、関係省庁及び企業、シンクタンク、地方自治体との交流や意見交換を通じ、日本のトイレに対する考え方・理念、関連の技術・政策・環境改善手法等について理解を深めた。また、植樹活動や浄化槽、農業集落排水や汚泥処理技術の視察を行い、日本の環境整備と技術に関心を高めた。

 

日本のトイレ事情について体感

 交流団は東京で、環境省、農林水産省、(株)クボタ、中日文化経済交流協会、大和ハウス工業(株)、日本トイレ研究所、TOTOテクニカルセンター東京の関係者と交流し、意見交換を行った。日本の浄化槽システムや汚水処理に関する政策や技術、節水型や高齢者向けに開発されているトイレについて紹介を受けたほか、トイレ環境改善の重要性、地域や自然に配慮した排水事業の実例などの説明を聞き、さまざまな角度から日本のトイレについて知見を広めることができた。埼玉県では戸建住宅向け浄化槽の稼働現場を視察した。また、一行は鈴木憲和 外務大臣政務官を表敬訪問し、李偉国団長が「今回の日本訪問を通じ、中国の多様な農村地域に適した改革をするため、日本の技術や経験を参考にしたい」と挨拶し、日中間のトイレ協力を促進していくことを確認した。

 その後、和歌山県へ移動し、白浜町や田辺市に設置されている浄化槽トイレ、バイオトイレ、農業集落排水施設を視察。一行はインフラが整備されていない場所で実践されている多くの工夫に感心しながら、中国の農村地域で実用可能か考えるヒントとなったようだ。 (株)ウメタでは、梅干し加工工場を見学し、同工場内の汚水処理技術について説明を受けた。和歌山県の地場産業であるパイル織物を利用したシステムに、一同の関心が高かった。和歌山県庁訪問では西山毅治 商工観光労働部長を表敬訪問し、同県が取り組む「おもてなしトイレ大作戦」の概要を聞き、問題点や改善点、中国で実施しているトイレ革命との共通点や相違点など、双方活発に意見交換を行うことができた。

 また、和歌山県では白浜町にある平草原公園内にタイサンボクを1本植樹し、日中の末永い友情を祈念した。

 

 この他一行は、五分咲きの桜の紀三井寺と和歌山城を参観し、日本の文化についても触れることができた。訪日を通じて団員からは、「実際に稼働している浄化槽や農村部の排水施設を視察し、中国での実用や応用の可能性を感じることができた」「日本では政府、企業、民間が協力することで、トイレ含めた環境改善や、新たな措置や製品の開発につながっていて、中国も学ぶべきだと思った」「今回交流した方々と今後も交流を続け、中日トイレ協力を推し進めていきたい」「植樹活動は両国の友情の証となった。木の成長を見に再び来日したい」など、たくさんの感想が聞かれた。

日程表 参加者の感想