新時代を担う日中友好の架け橋に

平成21年度中国国家行政学院訪日研修団が来日 「世界金融危機下における日本の対策と措置」をテーマに研修

 6月28日から7月5日の日程で、平成21年度中国国家行政学院公務員訪日研修団(団長=張慧玲・国家行政学院研究生部副主任)が来日した。一行は、同学院の幹部3名、及び同学院公共管理学修士(MPA)コースの研修公務員40名からなる計43名。いずれも今後、中国の各行政単位で重要な地位を占めていくことが見込まれている有望な中堅幹部公務員で構成された。

 同学院の招聘事業は今年で11年目を迎え、平成19年度より、外務省が推進している「21世紀東アジア青少年大交流計画(日中21世紀交流事業)」の一環として実施している。今年は日本国内における新型インフルエンザ感染拡大の影響を受け、当初予定していた関西プログラムを変更し、東京のみでの訪日研修となったが、今年度の研修テーマである金融危機対策に基づいた講義や、日本の青年公務員らとの意見交換会など、さまざまなプログラムに積極的に参加した。

 

公務員としての役割を実感

 訪日研修団は、まず人事院本院にて日本の行政制度の仕組みや公務員の採用制度、公務員倫理等に関する講義を受けた。日本と中国、それぞれ政治や社会のシステムは異なるものの、共通の課題や互いに参考にすべき方策など、さまざまな収穫を得ることができた。また、日本の青年公務員との意見交換会では、グループごとに互いの国情や、行政の現場における様々な疑問点、問題点について、日中双方、活発な質問や意見が飛び交った。訪中経験のある日本公務員も参加しており、和やかな雰囲気の中、互いの友好を深めることができた。

 29日の当財団主催の歓迎レセプションは、柴山昌彦外務大臣政務官、王焱侠中華人民共和国駐日本国大使館政治部参事官らが出席し、賑やかに行われた。谷野作太郎会長代行が歓迎の挨拶を述べ、「両国の公務員が交流し、互いに学びあうことは、相互理解と日中協力関係を深める上できわめて有意義である」と、本事業の意義を強調した。柴山政務官からも、アジアと世界のより良い未来の構築に向けた日中間の戦略的互恵関係の強化の重要性と、今後の日中関係の発展に是非貢献してほしいとの期待のメッセージが述べられた。

 また30日には、垂秀夫外務省アジア大洋州局中国・モンゴル課長を講師に迎え、日中関係セミナーを受講した。人的交流を含めた日中の戦略的互恵関係の構築に向けてのさまざまな取り組みに対する理解を深め、積極的に質問をする姿が見られた。これら一連の活動を通し、訪日研修団の一人一人が、今後、日中間のさまざまな局面において、先頭に立ち、相互理解の促進、相互協力の推進に努めていかなければならないという、公務員として自らに託されたメッセージを強く認識したようだった。

 

金融危機対策をテーマにセミナーを受講

 一行は、早稲田大学、富士通株式会社、慶應義塾大学を訪問し、今年度の訪日研修テーマである「世界金融危機下における日本の対策と措置」に基づいたセミナーを受講し、懇親会等にも参加した。金融危機対策は、今や世界共通の緊急課題であるが、過去の貴重な経験も踏まえた日本における官民一体のさまざまな取り組み、またその効果について理解を深めた。

 さらに一行は、幸い国会の会期延長期間の来日ということもあり、国会議事堂において衆議院本会議を傍聴し、国政の臨場感を味わった。また警視庁交通管制センターでは最先端の交通管制システムを視察、池袋防災館においては、地震の模擬体験や火災時の初期消火、避難行動について学習をした。災害に備える学習システムについては、是非中国にも取り入れたいと、熱心に説明に耳を傾けていた。

 7月4日に行われた歓送報告会では、日本を離れる名残惜しさも手伝い、団員から次々と訪日研修の感想や、外務省をはじめとする日本側受け入れ機関に対する感謝の言葉が述べられた。自然に歌も飛び出すなど、非常にアットホームな雰囲気の中、皆で訪日研修の成功を祝った。地方公務員が大多数を占めていたため、やはり次回は、機会があれば東京だけではなく、まだ見ぬ日本の素晴らしい地方都市も訪ねてみたいとの感想が多く寄せられた。

 訪日研修団は全ての研修プログラムを終了し、7月5日に成田空港より帰国の途についた。本訪日研修団の受け入れにご協力下さった外務省、人事院公務員研修所、早稲田大学大学院公共経営研究科、富士通株式会社、慶応義塾大学、衆議院国際部、関係団体・企業の皆様に、この場を借りて厚く御礼申し上げたい。

(総合交流部)

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