新時代を担う日中友好の架け橋に

2009日本青年代表団が訪中 各界の青年約500名が中国各地で交流

 2009日本青年訪中代表団(総団長=谷野作太郎・当財団会長代行、副団長=石川好・作家、酒田市美術館館長)が、9月16日から9月22日の日程で訪中した。同代表団は、「21世紀東アジア青少年大交流計画(JENESYS Programme)」の一環として、中国政府の招待により実現したもので、大学生と社会人青年(行政、政治家、学術、経済界、教育関係者、青年団体、文化芸術、メディアの8分野)の代表約500名で構成された。中国側は中華全国青年連合会が受け入れを担当し、当財団が日本側の派遣実施を担当した。

 一行は、まず北京に全員集合し、建国60周年記念の国慶節ムードに満ちた北京で、分野別に活動を行った。17日には、谷野総団長、石川副団長、各分団長及び政治家分団団員が、外交部の胡正躍部長助理を表敬、その後、中華全国青年連合会を訪れ、王暁主席との会見が行われた。

 同日夜には、北京飯店で中華全国青年連合会主催の歓迎宴が開かれた。同連合会の盧雍政副主席は歓迎の挨拶の中で「鳩山内閣発足後初めての大きな日本青年代表団を心より歓迎する」と述べ、続いて谷野総団長が「中国が建国60周年を迎える記念すべき年に代表団として訪中できることを光栄に思う」と挨拶した。

 歓談中、茶道裏千家の団員がお手前を披露し、盧雍政副主席らが日本のお茶を味わった。また、日中双方から京劇、楽器演奏、歌などが披露され、歓迎宴は盛況のなか終了した。

 18日からは分団ごとに中国各地に分散し、関係施設や大学訪問、企業見学等さまざまな活動を通じて、中国の同世代の青年と交流を行った。各分団の地方訪問は、A分団の行政・政治家・学術が甘粛省(蘭州)と西安、B分団の経済界が天津と青島、C分団の教育関係者が黒龍江省(ハルビン)と大連、D分団の青年団体・文化芸術・メディアが雲南省(昆明)と広州、E分団の大学生が湖北省(武漢)と上海を訪れた。

 

行政・政治家・学術はシルクロードの要衝、蘭州と西安へ

 A分団は、京都府議会議員5名、国家公務員16名、地方公務員8名、学術分野の青年33名が参加。谷野総団長も同行し、行く先々で熱烈歓迎を受けた。

 北京では、行政・政治家分団は国家行政学院を訪問し、中国の行政改革について講義を受け、意見交換を行った。学術分団は中国国際問題研究所を訪問し、国際関係について日中の研究者が意見を発表し合った。また北京大学を訪問し、キャンパス内の芝生の上で輪になって座り、大学院生達と親しく語り合った。

 蘭州では、行政・政治家分団は中国人民政治協商会議甘粛省委員会を、学術分団は甘粛省社会科学院を表敬したほか、全員でイスラム教寺院の西関モスクを見学し、少数民族の青年と宗教について意見交換を行うなどした。また、蘭州市郊外に建設されていた新農村(紫堡郷馮湾村)見学では、水洗トイレがないなど、リアルな中国農村を体感し、多くの団員に深い印象を残したようであった。

 最後に訪問した西安では、行政・政治家分団は陝西省人民代表大会を表敬訪問し、座談会を行った。また学術分団は西北大学にて日中経済フォーラムに参加し、日本側の経済の専門家2名が発表を行った。経済という比較的議論しやすいテーマの下、日中双方が率直な疑問を投げあい、有意義な交流となった。

 

経済界は発展著しい天津と青島を体感

 経済界からの参加者は、(財)日中経済協会と(社)日本青年会議所から推薦された混成団で、総勢63名の大部隊であった。とりわけ、選ばれた使者となり天津市・青島市両政府を表敬した団員にとっては、またとない栄誉となった。

 北京では、国家発展改革委員会対外経済研究所の劉錦明所長助理よる日中経済の現状に関する講演で、人民元決裁の問題等、団員から多岐にわたる活発な質問がなされ、所定の時間内には質問しきれない程であった。また、貧困地域の教育環境改善や就学を続けられない大学生等に資金援助を展開する中国青少年発展基金会への訪問や、(社)日本青年会議所の団員参加による「日中次世代リーダー対話準備会合」が行われた。

 天津市での投資説明会及び企業家シンポジウムは、「新しい状況下における日中経済の戦略的関係の構築」というテーマで進められ、日中双方ともに熱のこもった雰囲気で話し合った。このほか天津市では、天津青少年活動センターを参観し、書道・ダンス教室・模型教室・空手道・カンフー教室・民族楽器等さまざまなレッスン風景を参観した。レッスンを受けている幼い子供たちの表情は真剣そのものであり、教師陣の迫力ある熱のこもった教え方等にも、団員達は感心した様子で見入っていた。

 青島市で開催された日中若手企業家座談会では、中国側出席者がホテル業・帽子製造業・製紙会社等現地のさまざまな分野の事業家達で構成されたため、テーマは絞らず自由討論となり、話は活発な展開となって盛り上がった

 このほか、各地で経済関連施設・モデル地区等を参観した。とりわけ、天津市の海浜新計画区における大規模かつ壮大な開発現場では、今更ながら今日の中国経済の旺盛な発展と、スケールの大きさに団員一同感嘆させられた。

 

教育関係者はハルビンと大連で現場を視察

 C分団には日本各地の教育委員会関係者および小中学校、高等学校の教員ら46名が参加した。北京では、北京電影学院、百年農工子弟職業学校を訪問し、中国の専門分野における教育について見識を深めた。

 ハルビンでは、まず黒龍江省児童センターを訪問し、続くハルビン師範大学では、大学内で黒龍江省教育庁の張信副庁長を表敬し、省の教育概況について説明を受けるとともに大学側関係者と意見交換を行った。夜には大学内で日中交歓会が催され、団員は学生を囲み、交流を楽しんだ。翌日は2グループに分かれ、ハルビン師範大学附属中学とハルビン市73中学を訪れ、教職員と日中の教育事情について意見交換を行った。

 

青年団体・文化芸術・メディアは昆明・広州でそれぞれ交流

 D分団は、青年団体26名、文化芸術34名、メディア17名の各分野を代表する青年が参加した。文化芸術分団には、アイドルグループSKE48のメンバーや中華圏で活躍するタレントの小林優美さんと佐藤麻衣さんも参加し、活動に華を添えた。

 3分野共通の活動として昆明では雲南民族村を訪れ、夜には少数民族の青年とのキャンプファイヤーに参加した。最後には両国の参加者全員が輪になって踊り、会場は熱気に満ち溢れた。また、昆明市呈貢県新農村建設模範村や斗南花市場等を訪れ、農作物や花の産地である昆明の、観光地とは違う一面を見ることができた。

 広州では、青年団体と文化芸術分野の団員が広東外語芸術職業学院を訪れ、舞踊や音楽、美術等の表現者や指導者育成の様子を見学し、また同じ分野に関わる者同士での交流も行われた。分野ごとの活動では、青年団体は、北京で中国青年政治学院訪問のほか、中国青少年研究センター研究員と、近年の青少年の教育やインターネットの問題等について意見交換した。また、北京青年創業モデル基地参観では交流会が行われ、中国青年の起業に対する積極的な態度が目立っていた。

 昆明では雲南省のボランティア参加青年と座談会を行い、広州では広州青年文化宮を参観する中で、スポーツから職業紹介まで、青年の生活に関するさまざまな事業が展開されていることについて説明を受けた。

 文化芸術分野は北京では、北京舞踏学院で、中国伝統の長い袖を使った舞踏の授業を見学した。団員は稽古着を借り、見た目以上に難しい踊りに挑戦した。また、798芸術区を訪れ、中国のモダンアートの息吹を感じ取った。

 昆明の雲南芸術学院では日本側から、華道家元池坊の団員による生け花のデモンストレーションが披露された。分かりやすい解説によって、両国青年ともに美しい花の世界を堪能した。移動中はバスの中で、作品VTRの放映や自己紹介が絶えず行われ、文化芸術に携わる者同士の交流も活発だった

 メディア関係者は北京では、全国の報道について監督指導する立場にある中共中央宣伝部と国家新聞出版総署を訪問し、報道機関に対する監督と指導の現状について説明を受け、インターネット時代のメディアの役割やブログなどへの対応などについて意見交換した。昆明では、現地の報道関係者7社が集まっての懇談で、それぞれ業界や地方の特色を出した報道と編集の状況を理解することができた。また、広州では、広東ラジオ局と広東テレビ局を訪問し、報道の独立性や携帯電話など新媒体への対応などについて意見交換するとともに、行政に対する市民の声を取り上げる番組など興味深い取り組みの紹介を受け、活発な質疑応答を行った。

 

大学生は武漢と上海を訪問

 E分団には日本全国から公募により選抜された大学生・大学院生総勢187名が参加した。北京では、オリンピック公園、天安門広場及び故宮を見学し、悠久の歴史と現代が共存する北京の現在を感嘆の思いで体感した。武漢では、武漢鋼鉄集団公司など全国的にも有名な企業を訪問し、これから社会へと巣立つ大学生は、熱心に生産現場を見学。中国における企業経営のあり方についてなど積極的に質問を行っていた。

 また、武漢大学をはじめとする5大学に分かれた学生交流で、日中関係、大学生活等幅広い内容について率直な意見交換が行われ、短時間の交流であったが、終了時は、別れを惜しむ学生の姿が見られた。上海では、華東師範大学を訪問し、日本語学科学生によるキャンパスツアーが行われた。その後の歓送会では、最後は日中の学生全員での大合唱となり、歌声が会場に響き渡った

 一行は9月22日、中国各地からそれぞれ無事に帰国した。各団の団員からは、「中国の人の優しく活発な姿に元気づけられた」「経済的な側面だけでなく国民性や生活、考え方を理解することができた」といった感想が聞かれ、大きな成果を上げたことがうかがえた。

 今回の訪中団実施にあたりご指導ご協力いただいた外務省、文部科学省、中華全国青年連合会ほか、関係機関の皆様に厚くお礼申し上げたい。

(総合交流部)

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