第4回日中友好岸関子賞が決定
日中友好岸関子賞は、中国の東北地方出身の人文社会学系修士課程留学生を対象にした奨学金です。今回は第4回の選考となり、以下2点の優れた論文に賞を授けました。
最優秀賞(副賞20万円)
「現代中国都市部(大連)における若者のジェンダー意識とそれが今後の出生率に与える影響」
論文要約:本論文は、低出生率が生み出されるメカニズムに関する理論に基づき、現代中国の都市部における女性の「二重労働」の問題と家庭内における男女間の不平等問題に着目し、中国の高学歴男女がどの程度強いジェンダー規範に影響を受けているのか考察した。具体的には、都市部(大連)の大学生を対象としたジェンダー規範に関するアンケートの調査結果を利用し、今後、中国社会が直面するであろう女性労働問題や少子高齢化問題などを検討した。
奨励賞(副賞10万円)
「現代日本時代小説における吉原像の展開―1958年以降の短編小説を中心に」
論文要約:本論文は、短編小説集『代表作時代小説』と、吉原に関わる時代小説のアンソロジー『吉原花魁』を研究対象として、二つの視点から時代小説に描かれている吉原像を分析した。一つの視点は、時代の変化と小説における吉原像の変化との関連性、もう一つは作者の性別と吉原の表象の関連性である。
◆受賞者感想
この度、日中友好岸関子賞を受賞させていただき、大変に光栄です。誠にありがとうこざいました。多くの素晴らしい方々のコメントをいただき、より高いレベルから自分の研究不足を理解することができました。大変勉強になりました。そして、日中両国の歴史からのつながり、政治の衝突に隠せない民間の友好交流の重要性をさらに深く感じました。これからの生活や研究を頑張って、日中両国の友好関係に役立ちたいと思っております。本当にありがとうございます。(李笑然)
この度、第4回岸関子賞奨励賞をいただき、大変光栄です。修士課程の研究結果が評価されたことによって、自分はこれからの研究に対してもっと自信を持てるようになりました。また、審査員の先生方からたくさん貴重なコメントをいただいて、本当に感謝しています。(李紹楠)
◆2016年11月15日 最終選考会(於:日中友好会館会長室)
◆2017年1月7日 授賞式(於:日中友好会館会長室)、祝賀会(於:豫園)
授賞式後に行われた祝賀会では、今後の研究の展開等、お話をうかがいました。お二人のますますのご活躍が期待されます。当賞では今後も引き続き、中国からの留学生を支援する事業を進めていきたいと考えております。
日中友好岸関子賞事務局 担当:沼﨑