新時代を担う日中友好の架け橋に

「JENESYS2019」中国青年代表団

 2019年9月9日から9月13日までの日程で、中国青年代表団(団長=程海波 中国日本友好協会 副秘書長)60名が来日した。本団は、中国北京市および河北省の青年公務員と北京市の農村青年幹部で構成され、外務省が推進する「JENESYS2019」の一環として招聘した。

代表団は、東京・静岡にて、環境行政や農業行政に関連する訪問・視察を行ったほか、国会議事堂や先端技術関連の視察などを通して包括的な対日理解を深めた。

 

静岡県掛川市の環境政策や農業振興に関する取り組みを学ぶ

 公務員分団は、1人1日当たりのごみ排出量が全国で2番目に少ない(人口10万人以上50万人未満の都市の部)掛川市の環境政策に関する活動を行った。市が推進するスマートコミュニティやゴミ減量の取り組みなどの説明を受けたほか、環境資源ギャラリー内のゴミ処理施設やゴミ減量啓発の展示、生物循環パビリオンで下水汚泥処理の過程について視察した。中国ではゴミ処理をはじめとするさまざまな環境問題が深刻化しているため、団員は幅広く具体的な取り組みを見聞きしながら取り組みの成果を実感した。

 農村青年幹部は、掛川市特産のお茶や農産物に関する農業振興政策に関する活動を行った。はじめに市の農業振興政策について説明を受け、続いて、農産物の生産安定・収入増加を目指して市が推進するICTを活用したトマト栽培を実践している渡辺農園や、地元の農産物やそれを使用した加工品を直売し、農業地域振興の一役を担っている道の駅掛川を視察した。先端技術の活用、中国にはない「道の駅」のような施設の取り組みは目新しい視点となったようで、団員も高い関心を示した。

 また、掛川市は周恩来総理と親交のあった松本亀次郎氏の出身地であることから、掛川市大東図書館内に展示されている、友好を記念し天津市から寄贈された二人の蝋人形や関連する資料を視察した。

 

 滞在を通じて団員からは、「環境政策についての講義を聞き、自分の住むまちでも、同じような取り組みが行われて欲しいと思った。環境保全に関わる活動を住民として働きかけていきたい「ごみ減量に関する先進事例を聞くことができ、大変勉強になった」(以上公務員)「農業政策の講義では、「農」は生きることの根幹を支える重要な営みだと思った。自分自身もできる範囲で農業を盛り立てていきたい」「道の駅視察では、サービスエリアと違う、道の駅の特徴や農業振興面で果たしている役割を知り、参考になった」(以上農村青年幹部)等の感想が聞かれた。5日間の活動を通して、日本に対する理解を深めた団員達が、今後は各専門分野で日中の懸け橋となることが期待される。

日程表 参加者の感想