新時代を担う日中友好の架け橋に

「JENESYS2019」第二十四回中国教育関係者代表団

 2019年12月3日から12月7日までの5日間、第二十四回中国教育関係者代表団一行59名(団長=支建軍 北京市人民対外友好協会 副秘書長)が来日した。中国教育関係者代表団は1996年から中国日本友好協会の派遣により継続して実施している。24回目となった本団は、外務省が推進する「JENESYS2019」の一環として招聘された。団員は北京市・山東省・河南省・湖北省の小・中・高等学校の教員で構成され、東京・大阪にて、各種教育機関などを訪問・視察し、日本の教育関係者と交流したほか、各地で歴史・文化・科学技術に関する参観を通し、包括的な対日理解を深めた。

 

日本の教育制度や各校の特色ある取り組みを学ぶ

 東京では、日本の初等中等教育制度について文部科学省による講義を受け、現在の日本の教育概況全般への理解を深めた。また、大阪での大阪府教育庁との懇談会では、地域の実情にあわせた細やかな教育の取り組みを学び、活発に意見交換をした。

 さらに、2グループに分かれ、東京で中高一貫校と中学校、大阪で小学校と小中一貫校を訪問し、授業・校内見学や教職員との懇談等を行った。東京学芸大学附属国際中等教育学校では、グローバルな人材育成の一環として、他教科の授業を英語で行うハイレベルな授業や生徒が能動的に考えて学ぶ姿に感心していた。台東区立上野中学校では、博物館や美術館等の多くの文化施設に囲まれた良い教育環境の中で勉学に励む生徒の様子を見て回り、給食を体験し、普段のありのままの学校生活を体感した。大阪市立大空小学校では、歓迎会でのびのびと合唱を披露する生徒に感銘を受け、元気いっぱいな生徒の案内で校内見学をしたり一緒に給食を食べ、生徒の目線から学校生活を視察した。大阪市立日本橋小中一貫校では、リーダーシップ教育やインクルーシブ教育に関する取り組みについて紹介を受け、生徒が作成したドリームマップに書かれた彼らの将来の展望を目にし、勉強だけでなく、生徒の将来を見据えたキャリア教育の重要性を実感した。

 

 団員からは、「学校訪問や教育機関との交流を通して、日本の教育概況の基本的な知識を得ることができて良かった」「生徒がのびのび学んでいる様子を見て、人間性を育てる教育の重要性を実感した」「日本人の素養の高さは、地域や個人の実情にあわせた細やかな教育によるものと感じた」「今の日本の教育の現状は新聞・テレビ等である程度知識があったが、具体的な話を聞き、さらに実際の教育現場を見学したことで、私たち教員が使命感や誇り、教育的愛情等を持って教育活動にあたる必要性を改めて感じた」など思い思いの感想が聞かれた。5日間の短い訪日活動ではあったが、それぞれが今回の訪日で得た成果を今後の職務や生活に生かしていこうと強く意識する貴重な機会となった。

日程表 参加者の感想