新時代を担う日中友好の架け橋に

「日中植林・植樹国際連帯事業」2019年日中緑化協力林業青年代表団

 2019年7月28日から8月3日までの7日間、2019年日中緑化協力林業青年代表団(団長:劉昕 中国国家林業・草原局 対外協力プロジェクトセンター 副主任)が来日した。本団は中国国家林業・草原局及び関係機関に所属する青年で構成された計30名で、外務省が推進する「日中植林・植樹国際連帯事業」の一環として招聘した。

 代表団は、東京と北海道を訪問し、林野庁や緑化関係団体、企業によるブリーフ、国有林や国立公園の視察を通じて、森林・林業・緑化分野に関する理解を深めたほか、北海道えりも町で植樹活動を行った。また、日本の文化や歴史、自然を体感できる施設を視察し、包括的な対日理解を深めた。

 

日本の森林・林業政策や緑化活動・環境保全について学ぶ

 代表団は東京で、塚田直子林野庁森林整備部計画課海外林業協力室長を表敬した後、日本の森林・林業・木材産業の現状と課題についてブリーフを受け、日本の林業政策全般、森林保全政策や防災対策について理解を深めた。また、日中緑化交流基金を訪問し、同基金の概要と約20年間の中国での緑化活動及び成果について説明を受けた他、東京ミッドタウンを訪問し、都会の植樹・緑化・環境の観点から同施設を視察した。

 

北海道の森林管理や緑化・自然再生の取組みについて理解を深め、植樹を実施

 北海道では、釧路市、帯広市、えりも町、札幌市を訪問した。釧路市では、釧路市湿原展望台を見学し、温根内ビジターセンターで環境省自然保護官から釧路湿原国立公園と自然再生の取組についてブリーフを受けた後、木道を見学した。帯広市では、帯広の森の育成管理・利活用の拠点である帯広の森・はぐくーむを訪問し、帯広の森の概要と市民参加の森づくりについてブリーフを受けた後、植樹地の概要、植栽した樹種、森の課題などについて説明を受けながら、森を散策した。えりも町では、日高南部森林管理署管内の林業総合センターを訪問し、えりも町の緑化事業について概要説明を受けた。また、根にダメージを与えず簡単に木を植えるため考案された育苗ポット「カミネッコン」を作成し、その中に苗木と肥料入りの土を入れ、ミズナラ、シラカバ、ハンノキ各15本、計45本を植樹した。札幌市では、北海道森林管理局を訪問し、新島俊哉北海道森林管理局長を表敬した後、北海道の国有林と北海道森林管理局の平成31年度重点取組事項についてブリーフを受けた。質疑応答では、国有林の管理方法や森林の価値、直面する課題等について活発な意見交換を行った。

 

 団員からは「日本では森林価値への認識が深く、森林は国民生活に様々な恩恵をもたらす『グリーン社会資本』ととらえられ、具体的な経済価値が試算されているのに驚いた」「公園建設において緻密さや細部へのこだわりが至るところで見られた。このような細かい積み重ねが、公園建設全体の成功につながっていると思う」「住みやすさや住民の移動しやすさに配慮するなど人間に優しい都市緑化設計がなされており、屋上やベランダを利用して立体的に緑化設計されていたのが参考になった」「日本では国の自然環境改善に対して市民が主役意識を持っており、参加意欲も高いと感じた」などの感想が聞かれた。

日程表 参加者の感想