新時代を担う日中友好の架け橋に

「日中植林・植樹国際連帯事業」中国メディア訪日団

 2019年12月16日から20日までの日程で、中国メディア訪日団(団長:廉徳瑰 上海外国語大学教授、日本研究センター主任)が来日した。本団は、中国のメディア関係者および研究者で構成された計14名で、外務省が推進する「日中植林・植樹国際連帯事業」の一環として招聘した。訪日団は、東京・京都にて、日中メディア対話会の参加や報道機関でのメディア関係者との交流、大学訪問を行い、日本の関係者や市民と親睦を深めたほか、植樹活動をはじめ、今回の訪日テーマである「防災・環境」分野の関連施設等を視察し、日本への多面的な理解を深めた。

 

日中メディア対話会やメディア訪問で関係者と交流

 訪日団は両国の新聞・通信、テレビなどメディア関係者・研究者による日中メディア対話会に参加し、対話会のテーマである「デジタル時代の日中メディアの役割」に基づき、日中各5名の発表者が香港問題に関する日中メディアの報道の違い、ニューメディア社会の日中関係、映画というソフトパワーの影響力、所属メディアでの相手国の報道等について問題提起した。その後の自由討論では忌憚のない意見交換が行われ、「小異を残して大同につき、メディア関係者は日中相互理解に寄与していくべき」ことを再認識した。また、日本経済新聞社を訪れ、電子版事業、放送事業や中国語ネット事業等の紹介を聞き、デジタル時代における新聞業界のビジネスモデルについて理解を深めた。どちらの交流も日中のジャーナリストが率直に意見を交わす貴重な議論の場となり、実り多い成果を得られた。

 

東京・京都で大学訪問と植樹活動、「環境・防災」に関する視察

 京都では同志社大学法学部講演会に参加し、「国際政治におけるデジタルメディアの役割」というテーマで講義を聞き、日本の大学生から日中の国民性の違いや中国国内の報道活動で注意する点について質問を受け、意見交換を行った。平安女学院大学では造園「植治」十一代当主の小川治兵衞客員教授や国際学部学生たちと一緒に紅枝垂れ梅の植樹を行った。寒い冬を耐え忍び、春になれば一番麗しく咲く紅梅を日中関係に例え植樹活動の木に選定したという大学の挨拶を受け、団員たちも日中友好の未来を願い心を込めて植樹した。また森ケ崎水再生センター、京都市民防災センターの視察では、日本の防災・減災、環境保護の取り組みを学んだ。

 

 滞在を通して団員からは「率直で誠意がある交流はとても重要である。政治体制や価値観などの違いは双方の交流には影響せず、今後の中日友好のためにも『求同存異』でメディア自らが課題解決に取り組む報道を提案していきたい」「新聞社の組織体制や経営状況、新しい時代に向けた挑戦について学び、彼らの特色のある規則制度、公平中立な態度に大いに感服した」「今回植えた樹は中日友好のシンボルとなり、私たちの心に植えられ種となった。私たちはこの友好の種を持ち帰り、帰国後、自身の仕事や生活に活かしていきたい」「帰国後、隣国がいかに環境を重視しているか、効果的な設備と環境に配慮した行動を人々にどう実践させているか、より多くの人々へ発信していきたい」などの感想が聞かれた。

日程表 参加者の感想