新時代を担う日中友好の架け橋に

第8回日中友好岸関子賞が決定

 「日中友好岸関子賞」では、中国東北地方出身の人文・社会科学系修士課程留学生の修士論文を選考し、優れた研究論文に賞状と副賞(奨励金)を授与しています。第8回を迎えた今回はコロナ禍に見舞われたにもかかわらず、多数の応募をいただきました。2020年11月5日に行われた最終選考会を経て、以下2点の論文が受賞となりました。

 

優秀賞(副賞20万円2点)

李欣 黒竜江省出身 (大阪大学大学院人間科学研究科)

「大気汚染重点地域からの脱出を支えた地域社会の対応と展望―中国広東省広州市における事例からの考察―」

選考理由:

中国における大気汚染は日本でも大きな関心の的になっているが、これまで情報が集中していた北京市とは別に、三大大気汚染地域の一つとされている珠江デルタ、なかんずく広州市に焦点をあて、工業化を進めるなかで大気汚染重点地域からの脱出にも成功しつつある経緯を、特にそれを支える地域社会の対応と関連させて分析するという本論文の目的は独特であり、その手法もかなりの水準に達していると思われる。修士論文としては抜群であり、授賞に値する。

 

張喬 遼寧省出身 (宇都宮大学大学院国際学研究)

「SDGsに適う生活ごみ分別収集システムとは―日瑞との対照から中国大連市の方向性を探る」

選考理由:

ゴミ分別収集システムの構築という点では先進国に属するといわれる日本とスウェーデンとの比較において中国大連市の実情を調査し、評価することが本論文の目的であるが、実際上は3ヶ国の長所、短所の比較という性格を持っており、中国のみならず日本にとっても有意義な研究成果といえよう。アンケート調査の手法・内容も独特で信頼性に富み、今後の研究にとっても参考になるところが少なくない。修士論文として抜群であり、授賞に値する。

 

 選考委員会においては、以上2点の論文に大きな開きはなく、両者を「優秀賞」とすることと決定した。

 

最終選考会(2020年11月5日)での討議


 当会館では今後も引き続き、中国からの留学生を支援する事業を進めていきたいと考えております。

(日中友好岸関子賞事務局)