新時代を担う日中友好の架け橋に

日中国交正常化50周年記念コラム 第25回(熊倉潤)

日本と中国の国交が正常化されてから50周年となる本年、日中友好会館ではホームページとメールマガジンで「日中国交正常化50周年記念コラム」を連載いたします。

日中交流に長く携わった方や、日中友好会館の各事業に参加された幅広い世代の方に、日本と中国に関わりのある事柄、随筆、これまでの日中交流のエピソードや、これからの日本と中国に向けての期待・希望などメッセージを執筆いただき、一年にわたって連載します。また、日中民間交流の拠点として貢献する日中友好会館の取り組みなども合わせてご紹介します。

日本と中国のこれまでの歩みを振り返りながら、新しい友好関係の構築に向けたプラットフォーム作りの一助となれば幸いです。

 

蘭州とのご縁

2009日本青年訪中代表団、「JENESYS2019」日本青年研究者訪中団団員 熊倉 潤

 

甘粛省の省都蘭州は、西安から北西に直線距離で約500キロ行ったところにある、黄河の流れに沿って広がる風光明媚な街だ。日本でも知名度を得つつある蘭州拉麺の本場でもある。そこに私は、2009年と2019年の2回、日中友好会館主催の訪中団で訪れることができた。

中国の西北部の民族関係に関心のあった私にとって、このご縁は意義深いものとなった。2009年の訪問では、同地のモスク(清真寺)を訪問し、指導者から話を聞く機会に恵まれた。個人で行ったのではとても会えない、この指導者の話を、できるだけメモに残そうと努めた。そこでの経験は、後に少数民族幹部政策を博士論文のテーマに選ぶきっかけのひとつになったといっても過言ではない。

2019年の訪問では、甘粛省社会科学院を訪れ、現地の研究者と学術的な交流をする機会を与えられた。ここでも私は、西北の発展と民族の問題について、また一帯一路の問題について、先方の話を聞き漏らすまいと臨んだ。甘粛省で伺ったことは、どれも研究をすすめるうえで貴重な糧となった。

今、日中関係はコロナ禍による打撃に加え、総体として不安と警戒心のなかにあるように思う。私個人の期待、希望としては、今後も研究者、専門家の交流が安全に行われることを切に願っている。

(法政大学法学部国際政治学科 准教授、法学博士)

 

 

黄河流域を参観 2019年7月
筆者(後列右2)

 

甘粛省社会科学院訪問・交流 2019年7月
筆者(後列右3)

 

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