新時代を担う日中友好の架け橋に

日中国交正常化50周年記念コラム 第42回(小渕優子)

日本と中国の国交が正常化されてから50周年となる本年、日中友好会館ではホームページとメールマガジンで「日中国交正常化50周年記念コラム」を連載いたします。

日中交流に長く携わった方や、日中友好会館の各事業に参加された幅広い世代の方に、日本と中国に関わりのある事柄、随筆、これまでの日中交流のエピソードや、これからの日本と中国に向けての期待・希望などメッセージを執筆いただき、一年にわたって連載します。また、日中民間交流の拠点として貢献する日中友好会館の取り組みなども合わせてご紹介します。

日本と中国のこれまでの歩みを振り返りながら、新しい友好関係の構築に向けたプラットフォーム作りの一助となれば幸いです。

 

日中国交正常化50周年に寄せて

公益財団法人日中友好会館 評議員 小渕優子

 

 日中国交正常化50周年を心からお祝い申し上げます。

これまで長年にわたり、日中関係の発展にご尽力されてきた諸先輩の皆様方に心からの敬意を表します。

今年は、日中国交正常化50年という節目の年です。

この50年という歳月を振り返ると、現在の日中関係は、先人たちの日中両国の平和と友好への誓いの上に築かれたものであることを改めて痛感いたします。

1999年、父小渕恵三が総理として訪中した際、長江の大水害を契機に森林破壊や砂漠化が進む中国に対し、植林による洪水対策と環境保護の支援を提案し、日中緑化交流基金が設立されました。日中合同でボランティアが植樹するこの植林事業は約20年続き、日中両国民の友好交流に大いに貢献してまいりました。

またこの年は、「日中文化友好年」として様々な文化交流事業が実施され、青少年交流も活発に行われました。私も父がライフワークとしてきた日中友好の思いを受け継ぎ、初当選以来、青少年交流を通して日中友好に携わってまいりました。

この50年間、日中関係を支えてきたのは、このような地道な活動を通した国民同士の交流、そして絆です。国際情勢がいかに変わろうと、隣国である中国との関係は日本にとって最も重要な二国間関係の一つです。ましてや世界がかつてないほどつながり合い、もはや一国だけでは対処しきれない諸課題が増える中、日中両国はともに責任ある大国として、国際社会の平和と繁栄に貢献していかなければなりません。両国関係の明るい未来を築くため、政府のみならず国民一人一人が未来に向けた相互理解を深めるための努力を重ねていく、その精神が何より大切だと思っています。私はこの思いを胸に、先人たちの精神をしっかり受け止め、次世代へ引き継ぐために、今後も新たな日中関係を切り開く努力を続けてまいりたいと思います。

最後に、日中国交正常化50周年に当たる本年が日中関係のさらなる発展の契機になることを願い、ご挨拶とさせていただきます。

 

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