新時代を担う日中友好の架け橋に

日中国交正常化50周年記念コラム 第44回(石井敏郎)

日本と中国の国交が正常化されてから50周年となる本年、日中友好会館ではホームページとメールマガジンで「日中国交正常化50周年記念コラム」を連載いたします。

日中交流に長く携わった方や、日中友好会館の各事業に参加された幅広い世代の方に、日本と中国に関わりのある事柄、随筆、これまでの日中交流のエピソードや、これからの日本と中国に向けての期待・希望などメッセージを執筆いただき、一年にわたって連載します。また、日中民間交流の拠点として貢献する日中友好会館の取り組みなども合わせてご紹介します。

日本と中国のこれまでの歩みを振り返りながら、新しい友好関係の構築に向けたプラットフォーム作りの一助となれば幸いです。

 

日中友好加須市民会議と後楽寮生

元日中友好加須市民会議会長 石井敏郎

 

 1977年にわずか17名の会員で創立された「日中友好加須市民会議」ですが、日中文化交流のお役にたちたいと考え、音楽会・民族舞踊の会・絵画展・講演会などの開催、ほぼ毎年のように中国各地を訪ねる親善・交流・観光・旅行団の送り出し、希望小学校建設と学用品の寄贈、貧困地区失学少年基金設立など、これまでさまざまな活動をやってまいりました。

その中でも目玉行事として一番がんばってきたのは、中国人留学生を迎えてのホームステイ行事でした。当時はお互い生活も厳しく、留学生のご苦労は大変なものだったと思います。梅沢三保初代会長がたまたま会った留学生から「宿舎と学校の間を往復するだけで、日本人の友人もできません」と聞いてホームステイをやろうと即決、1982年に宿泊交流が始まりました。ホームステイというのは1軒に2名ずつというのが鉄則のようなものですから、私たちのような小さな会が加須市内で20軒以上もの受入家庭を見つけ出していたわけです。今ではとてもできない相談だと思います。あの当時の私たちの情熱と馬力には、我が事ながらビックリするほかありません。

後楽寮生をお迎えしたのは1987年からでした。以後毎年途切れることなく2019年まで38回、939名の参加がありました。ホームステイをきっかけに市民平和祭や市民祭りに来て頂いたり、お正月にはホストファミリーに“里帰り”したりと日本にいる間は交流が続きました。今でも中国全土におられる私どもの共通の友人と交流は続いております。ありがたいことです。

これにより日中友好親善関係の増進に貢献したことが認められ、2005年に外務大臣表彰をいただくことができました。

また、2013年には後楽寮生の同窓会組織である、後楽会(中国)友好聯誼会から招待を受け、北京ホームステイにかつてのホストファミリーである4名が参加し、旧交を温める事が出来ました。

日中友好加須市民会議は新型コロナウイルス感染拡大による影響で交流活動がままならなく、更に会員の高齢化により、残念ながら2022年3月をもちまして解散となりましたが、市民レベルでの地道な友好運動は実を結び、きっと大輪の花を咲かせることができたと思っております。

第36回日中友好加須市民会議宿泊交流
歓迎会(2017年)

 

 

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