新時代を担う日中友好の架け橋に

日中国交正常化50周年記念コラム 第62回(北原義一)

 日本と中国の国交が正常化されてから50周年となる本年、日中友好会館ではホームページとメールマガジンで「日中国交正常化50周年記念コラム」を連載いたします。

 日中交流に長く携わった方や、日中友好会館の各事業に参加された幅広い世代の方に、日本と中国に関わりのある事柄、随筆、これまでの日中交流のエピソードや、これからの日本と中国に向けての期待・希望などメッセージを執筆いただき、一年にわたって連載します。また、日中民間交流の拠点として貢献する日中友好会館の取り組みなども合わせてご紹介します。

 日本と中国のこれまでの歩みを振り返りながら、新しい友好関係の構築に向けたプラットフォーム作りの一助となれば幸いです。

 

未来の日中の子供たちの笑顔のために

公益財団法人日中友好会館 評議員 北原 義一

 

 私が三井不動産に入社し42年が過ぎました。

 

 日中国交正常化が50周年ですから、まさにほぼそれに近い時間を社会人として過ごしてまいりました。

 

 入社当時、三井不動産は、兵馬俑の近くで唐華賓館というホテル事業を行っていたことを記憶しています。会社としてホテル事業にはまだ緒に就いたばかりであるにも関わらず、中国でそれを事業化するということは、当時としては相当チャレンジングな事業であったと思います。裏を返せば、当時の経営層が、いかに中国の将来性に期待感を抱いていたかが容易に推察されます。

 

 また、この日中友好会館も、今から30有余年前に、研修施設を主体とした公益事業を支えることを企図して、三井不動産が主体となって、オフィスビルの賃貸事業、ホテルの運営事業を担うことになり、現在でもお世話させていただいていますことは皆様ご存じのとおりです。

 

 そして今、私が日中友好会館との強烈なご縁を感じることに至ったのは、会館と近接の東京ドームを、三井不動産がホワイトナイトとしてTOBを敢行し、その実行部隊が実は私自身で、今東京ドームの会長CEOというポストについていることです。いわば会館とご近所付き合いをさせていただく立場になったのです。不思議なご縁を感じています。

 

 かくなる上は、日中友好会館の成長と、東京ドームの発展と、エリア全体の飛躍の為に、一肌脱ごうかと思っています。

 そしてそれが日中間の民間平和外交として、多少なりとも貢献できるのではないかと信じております。

 

 両者で自ら変化し、新たな歴史を作っていく、そうした磁場を形成することこそ肝要です。

 未来の両者の子供たちの笑顔のために。

 それが、今を生きる我々世代の使命だと確信しています。

(株式会社東京ドーム 代表取締役会長 CEO)

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