新時代を担う日中友好の架け橋に

日中青少年交流事業 参加者のその後のストーリー(第4回)

 日中青少年交流事業の過去の参加者の方に、それぞれの「その後」のストーリーをうかがう当企画。

 今回は、2014年の中国大学生訪日団に参加し、日本との関わりを深めるようになった王瑞(おう ずい)さんのインタビューを紹介します。

王 瑞さん プロフィール

安徽師範大学数学コンピューター科学学院に在籍していた2014年(大学4年時)、「JENESYS2.0」中国大学生訪日団第11陣に参加。

帰国後、訪日団に随行した通訳者との親交を深めたり、プライベートで日本を旅行するなど、日本との関わりを持ち続けている。

現在は、中国で公務員として働いている。

 

「礼儀正しい」「私たちと同じ」 ― 肌で感じて大きく変わった日本人の印象

― 訪日団の一員として来日する前は日本のどこに興味がありましたか?

 

王:あのときの訪日は突然で、まさに偶然のご縁でした。訪日前は、大学の同級生(今は日本で仕事をしている)がアニメ・漫画が好きだったので、一緒に見ているうちに私自身もアニメ・漫画が好きになっていきました。それで、日本について少しは理解していましたが、大学卒業間近になって、訪日団の一員に選ばれるとは思ってもみませんでした。

 

― 訪日団に参加して最も印象に残ったことを教えてください。

 

訪日団参加当時の王さん

王:日本人がとりわけ時間を遵守し、礼儀正しいということです。ここで、今まで友達に日本を紹介する際に使ってきた例を挙げましょう。日本でのある朝、私と級友は6時半に起き、写真を撮りに行こうと道路を渡っていました。後ろで自転車が停まる音が聞こえたので、ふと振りかえると、学生と分かる服装で中高生くらいの人がいました。その時、道路には私たち3人以外には誰もいなかったのですが、信号を待っていると、彼は礼儀正しく私たちに「おはよう」と言いました。私と級友は互いに目を合わせた後、「おはよう」と返しました。日本人は本当に礼儀正しいです!

 

― 訪日団参加後、日本への見方や印象に変化はありましたか?

 

王:日本の人々の生活などの面で大きく見方が変わりました。以前はネットや歴史の教科書のみで日本のことを学んでいましたが、この時自分の肌で日本を感じてみて、日本人の慎み深い態度に驚きました。私たちは互いに学ぶべきことが多くあります。この訪日で、日本の人々は私たちと同じように、より多くの、より友好的な交流を歓迎しているのだと思いました。

 

訪日団に参加して繋がった日本との縁 ― 通訳さんとの親交、2回目の来日

 

訪日団の歓送報告会で、
団員代表として感想を発表

― 訪日期間中に日本人の友人はできましたか?今も連絡を取っていますか?

 

王:帰国してかなり経ちますが、私たちのバスの通訳者だった方とずっと連絡をとっています。彼女はとても辛抱強く、責任感が強い方です。訪日から6年が経ちましたが、時とともに私たちの関係もますますよいものになっています。2018年、彼女は出張で中国に来ましたが、時間と仕事の関係で会うことができず、残念でした。帰国後、お菓子を送ってくれて、とても感動しました。

 

― 王さんは2018年に東京にいらしたそうですね。

 

王:2018年2月、中国の大晦日に、2回目の来日をしました。東京の小金井に滞在し、本物の日本の人々の生活を体験しました。幸いなことに、お忙しい前述の通訳さんとご飯をご一緒することもできました。4年会っていませんでしたが、古くからの友達のように、たくさんお話をして、一緒に写真を撮りました。2018年の日本行きは、旅行と友達を訪ねることが目的だったので、お台場に行ったり、東京タワーに登ったりしました。あと、通訳さんの勧めで富士山の山麓へ行ったのですが、本当に美しかったです。

 

― また日本に来る機会があれば、どこで何をしたいですか。

 

王:本当は2020年のメーデーの頃、日本旅行を計画していました。東京・大阪のようなにぎやかな都市や奈良・京都のような旧所名跡だけでなく、神奈川県の鎌倉や藤子・F・不二雄ミュージアムにも行くつもりでしたが、新型コロナウイルスの影響で取りやめざるを得ませんでした。今後機会があれば、また日本に行きたいですが、今の状況から考えると、しばらくは難しいでしょう。

 

― 現在どのようなお仕事をされていますか?

 

王:現在は公務員で、主に統計に関する仕事を行っています。

 

― 現在計画していることや将来の目標を教えてください。

 

王:いますべき仕事をしっかりこなすことです。今後また日中友好会館とご一緒できる機会があれば幸いです。

 

― 国際交流に参加したことがない日中青少年に向けてメッセージをお願いします。

 

王:色々な視点やレベルから中国と日本を理解し、客観的な認識を持ってほしいと思います。また、今はネット技術がとても発達しているので、より多くの交流プラットフォームで互いのことを分かち合い、ともに勉強してほしいと思います。